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【韓国コラム】四捨五入改憲と99万ウォン不起訴セット

  • 1954年11月末、大韓民国の国会で実に荒唐無稽なことが起こった。
    初代大統領のイ・スンマンに限り、3選禁止条項を排除するという内容を骨子とした憲法改正に関連する事件だ。

    当時の政権の与党であった自由党は、憲法改正のために多くの事前工作を行なった。このような改憲に賛同するという署名を受けた後、民議員(下院)候補として公認し改憲の定足数に満たないため、無所属議員に対して買収や脅迫工作などをして137人の賛成者を確保し改憲案を上程した。

    しかし、11月27日の投票結果は自由党の期待に添えなかった。在籍議員203人のうち、賛成135人、反対60人、棄権7人、無効1人で定足数2/3(136人)に1票足らなかった。

    野党は万歳を叫び、メディアは「民主主義の勝利」という記事を出したが、自由党はここで諦めなかった。

    「203の2/3は135.333だが、0.333は0.5未満なので四捨五入の原則により203人の2/3は135人だ」

    自由党は大学教授まで動員して無理強いをし、当初否決された憲法改正案を手続き上のミスにした後、可決を宣布した。

    小学生にも通じない無理な論理を展開したために、大韓民国の初代大統領を輩出した自由党は、その瞬間、民意から遠ざかってしまった。

    歳月が半世紀以上経った2020年12月、同じような算術問題が韓国政治史の1ページに記録された。

    ソウル南部地検は、キム・ボンヒョン元スターモビリティ会長の接待と関連して、接待をしたキム元会長と100万ウォン以上の接待を受けた検事1人、そして検事とキム元会長を紹介した弁護士を不正請託と金品授受に関する法律違反で在宅起訴した。同席した検事2人は午後11時に帰宅、それまで受けた接待額が100万ウォンに満たないという理由で不起訴処分になった。

    不起訴処分になった検事2人に対する計算法はこうだ。

    江南区(カンナムグ)清潭洞(チョンダムドン)の接待飲食店の接待費用計538万ウォンーバンド費用及び遊興接客員費用55万ウォン=481万ウォン。481万ウォン÷5=96万2,000ウォン、起訴要件である100万ウォンを超えないため、不起訴処分にするというのが検察の計算法だ。
    酒代を時間帯別、席別に割って検事に最も有利な方向に結論を出したわけだ。

    同日、キム元会長は接待飲食店で3部屋を使用したが、検事や弁護士たちと一緒にお酒を飲んだ部屋1部屋だけを計算したという点も議論を呼んでいる。

    検察が身内をかばうために変な計算法を使うと、ソーシャルネットワークには「検事のための不起訴セット」という写真が出回り始めた。


    前官弁護士と被疑者が同席した席に捜査検事が同席した事実自体が問題視される状況で、呆れた算術が動員されたため、非難を受けても検察としては口をつぐむしかない状況だ。

    自由党が四捨五入改憲で民意を失うように、検察が妙な接待費計算法で市民たちを敵に回すのではないか心配だ。自由党は崩壊しても新しい政党が国政の空白を埋めることはできるが、検察はともかく法治国家としては必要不可欠な組職だ。
  • Lim, Chul | 入力 2020-12-11 00:00:00