記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
コラム > オピニオン

【韓国コラム】クリスマス

  • 日本はクリスマスが祝日ではないそうだ。
    米軍政とキリスト教徒だった初代大統領イ・スンマンの影響で、韓国は早くからクリスマスが祝日に含まれたが、アジア諸国の中では非常に珍しいケースだ。東アジアにおいてクリスマスが祝日に指定された国は、韓国以外で欧米に租借していた香港、マカオ、フィリピンくらいだ。

    考えてみると、クリスマスを称えるキリスト教の中にもクリスマスが12月25日じゃない国が結構ある。

    上の図の右上に色の意味が書かれているが、簡単に説明すると青色は12月25日、 緑色は1月7日がクリスマスだという表示だ。グレゴリオ暦を採用した国は12月25日、ユリウス暦を固守した国は1月7日だと考えられている。(そのためウクライナ、アルバニア、コソボ、レバノンなどではクリスマスを2回過ごす)

    こんな説明は少し理解しにくい。どうせ、その日にイエス・キリストが本当に生れたかどうかは、誰にも分からないから。誕生日を祝うのではなく誕生そのものを祝うという程度に考えればいいだろう。

    地図をもう少し拡大してみよう。

    色付けした場所がクリスマスが祝日ではない国を表示する。濃い色はクリスマスを記念する行為自体を不法視する国々だ。ほとんどイスラム国家だ。

    しかし、ごく少数の国を除けばクリスマスシーズンはたいてい賑やかな雰囲気になる。公休日なのかは関係ない。宗教的雰囲気は薄くなり世俗的な休日に変わる。バレンタインデー、ホワイトデー、 ペペロデー(韓国のポッキー日)みたいに。

    アメリカ第44代大統領のバラク・オバマ(Barack Obama)は、他の宗教を信じる人々を配慮して「Merry Christmas」の代わりに「Happy Holidays」という挨拶を使い、2010年以降はこの言葉が主流になった。12月末から1月初めまで続く商人たちにとって重要な時期の呼び名も「クリスマスシーズン」から「ホリデーシーズン」に変わった。根本主義のキリスト教も、クリスマスが金儲けに利用されることを心配したためか、このような変化にはあまり反感を示していない。

    クリスマスを一番連呼するのは商売人だ。宗教を警戒している中国ですらショッピングモールにクリスマスツリーが飾られ世界各地から来た旅行客を対象にクリスマスイベントも行われる。

    もちろん、恋人たちもクリスマスを迎える。夜間の通行禁止が行われていた軍部独裁の時代、通行禁止が解かれた12月24日のクリスマスイブには、ソウルの明洞(ミョンドン)通りがカップルで賑わっていた。クリスマスベビーもたくさんできたはずだ。そんな伝統が今まで続いてるわけだが、年末の雰囲気に包まれていると他の国も事情は変わらないだろう。

    キリスト教の信者たちはクリスマスから宗教色が薄れていくと残念がっている。キリスト教徒に劣らず慈善団体も世俗化推移を深刻に注視している。宗教色が薄くなればなるほど貧しい人々を助ける力も減っているからだ。

    新型コロナウイルスで大都会のあちこちに出ている救世軍の慈善鍋は、いかにも寂しそうだ。

    街が閑散としているので慈善鍋には温情を込めることも難しい。
    今年のクリスマスには家族でない限り5人以上集まるのも厳しい状況だ。寂しくて息苦しい思いを自分より苦しい隣人に対する温かい思いやりに変えるのはどうかとも思う。
    「自分より劣る隣人もいる」という気持ちが、つらい時期を耐えるのに役に立つのではないだろうか。

    キリスト教を信じようが信じまいが、12月25日が祝日であろうがなかろうが、クリスマス精神が必要なシーズンだ。
  • Lim, Chul | 入力 2020-12-22 00:00:00