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【韓国コラム】私たちが登る丘

  • 奴隸の後裔
    シングルマザーが育てた痩せた黒人少女が
    自らのための就任演説を読み上げることを願って
    大統領を夢見ることができるこの場所、
    私たちはそんな国の子孫です(我々が登る丘)

    We the successors of a country and a time
    Where a skinny Black girl
    descended from slaves and raised by a single mother
    can dream of becoming president
    only to find herself reciting for one (The Hill We Climb)

    22歳の若い黒人女性が、新型コロナウイルスの爆撃と極右主義暴徒の議会占拠で満身創痍になった米国社会の自尊心を立て直した。米国が世界のどこでも見つけられない機会の地であることを改めて確認させてくれた。

    この1年間あまり、米国は全世界で最も多い新型コロナウイルスの感染者と死傷者を発生させ、質の低い医療体系、深刻な両極化、妥協のない理念葛藤で嘲笑を自ら招いた。民主主義の砦、世界最強国の威容は見当たらなかった。いいえ、以前から米国は気候条約をはじめとする数々の協力から脱退し、世界の指導者としての地位を自ら投げ出してきた。

    ジョセフ・バイデン(Joseph R. Biden)の第46代米国大統領就任式で詩を朗読した若い桂冠詩人アマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)は、このような姿から米国が完成した国ではなく遠い旅程に立っている国であることを自覚する。そして、その旅程にアメリカ人たちが一丸となって参加することを訴える。

    まだ夜明けは私たちのものではないです
    私たちが知るまでは

    And yet the dawn is ours
    before we knew it

    アマンダ・ゴーマンの詩を聞いた73歳の老人は「私が死んだ後も米国を引き渡す真の善良さがあることを知って涙が出る」と話したそうだ。

    大統領就任式会場という誰もが緊張する席で、淡々と自分の詩を朗読したアマンダ・ゴーマンは数年前までは言語障害を経験した少女だった。


    ジョセフ・バイデン大統領がどもる姿を直すために鏡を見ながら繰り返し詩を朗読したように、アマンダ・ゴーマンもミュージカル音楽を聞きながら言語障害を克服した。

    聴覚障害で言葉がまともに話せなくてナイジェリアから移民したばかりの子供として扱われていた彼女は「girls can change the world」という言葉を言うためにトイレに行って5分以上繰り返して練習しなければならなかったそうだ。どもる障害が彼女を詩人に作家にしてあげたとも明かした。

    自分の発音を気にしていたら、人の話す声に耳を傾けて聞くようになったとも言っている。

    障害を克服した若手詩人の彼女を就任式で祝詩を書いてほしいと推薦したのは、大統領夫人のジル・バイデン(Jill Biden)だそうだ。22歳の若い黒人女性を推薦した大統領夫人や、これを受け入れた大統領と側近たちの行動から米国の希望がうかがえるようだ。

    すでに女性大統領を輩出したことがある韓国だが、このような大胆の選択をすることができるだろうか、そのような考えが自然に浮かぶ。約10年後の大統領選に挑戦するという力強い発言は、SNSを嘲笑で満たすだろう。韓国でなら、そうなるということだ。

    新型コロナウイルスと暴徒たちの占拠で世界に嘲笑と虚しさと恐怖を与えた米国、しかしまだ彼らから学ぶべきことがあまりにも多いことを悟る。

    若い詩人が歌うように、
    私たちは夜明けの明りに接する勇気を持たなければならないだろう。人をあざ笑う前に鏡の前に立って自分の姿を見て他人の話に耳を傾ける姿勢から学ばなければならない。自分をありのままを見ることこそ勇気ある者の行動だ。

    その日が来れば
    散らばっていた美しい人々が
    影の外に姿を現します
    光がそこにあるから
    恐れることなく明るい姿で
    私たちが自由になるように
    夜明けは花を咲かせるでしょう
    私たちが光を見る勇気を出しさえすれば

    When day comes we step out of the shade,
    aflame and unafraid
    The new dawn blooms as we free it
    For there is always light,
    if only we're brave enough to see it
    If only we're brave enough to be it

    註=アマンダ·ゴーマンの詩「私たちが登る丘(The Hill We Climb)」の全文は省略する。検索さえすればすぐに見つけられるから。(翻訳は筆者が任意にしたものなので、間違ったところがあれば筆者のせいにしてください)
  • Lim, Chul | 入力 2021-01-31 00:00:00