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高度な製品で世界市場を圧倒する「繊維韓国」


  • 高度な製品で世界市場を圧倒する「繊維韓国」
  • < 世界1位の韓国産繊維製品 >

繊維は韓国で代表的な斜陽産業として通じる。安価な中国と東南アジア産の繊維製品がグローバル市場に氾濫して、「繊維韓国」は立場を完全に失ったという認識が広がっている。しかし一般的な評価とは異なり、国内の繊維企業は技術革新を重ねて高度な製品開発に熱を入れたおかげで、世界市場を牛耳っている繊維製品が少なくないことが分かった。

繊維業界によると2日、暁星(ヒョソン)とヒュービス(Huvis)、コーロンなどの韓国の繊維企業は、さまざまに差別化された製品を掲げて、汎用繊維製品の生産会社として高付加価値繊維製品の生産会社としての変身に成功した。

昨年、韓国の繊維輸入額は146億5500万ドルを記録し、輸出額(159億3900億ドル)ののど元にまで達した。今年は韓国が初めて繊維の純輸入国に転換するという分析が支配的だ。しかし実際に見てみると、韓国内の繊維企業はすでに高付加価値の繊維を開発して市場に出し、世界市場で尖端素材メーカーとして認められている。

代表的に、ヒョソンのスパンデックスブランドである「クレオラ」は世界市場のシェアが30%を超え、名実共に世界的な最高の製品だ。ヒョソンは年間17万5000トン規模の生産能力を保有している。スパンデックス(spandex)はポリウレタン系繊維の一種で、伸縮性に優れ、コルセットや水着などに使われる。ヒョソンは国内企業では初めて、90年代初めにスパンデックスの開発に成功し、継続した投資と研究開発で2010年から世界市場シェア1位を維持している。

ヒョソンの関係者は、「全繊維市場の成長率は年間3%程度だが、スパンデックスは7~10%に達するほどで、持続可能な成長が期待される製品」だとし、「世界的な経済不況の中でも着実に収益を創出している」と説明した。この関係者は続けて、「今年は中国の広東工場を増設する方針」だと付け加えた。

タイヤの耐久性と安全性や走行性などの性能を左右する重要な補強材であるタイヤコードも、ヒョソンが伊ミシュランや米グッドイヤーなどの世界的なトップタイヤ会社に供給して、世界市場のシェア45%を占めている。

SKケミカルとサムヤン社(三養社)の化繊部門を合わせて設立したヒュービスも、世界1位の製品を続々と打ち出している。代表的な商品は低融点繊維(LMF)だ。 LMFは摂氏100~200度の低温で溶ける繊維で、車のトランクや天井などの内装材、マットレスやソファーなどの家具はもちろん、おむつや生理用ナプキンなどの衛生用品の接着剤として使われる環境にやさしい繊維だ。

ヒュービスの関係者は、「人体に有害なこれまでの化学接着剤なしで使用される、最適の接着用素材」とし、「低い温度で溶けるので二酸化炭素の発生量も減らす、環境に配慮した製品」だと明らかにした。

現在、ヒュービスは全世界のLMF生産量の40%(年間30万トン)を生成する世界1位の生産メーカーで、全世界100カ国以上に輸出している。

軽くて保温性に優れ、パディング衣類や寝具に多く使用される繊維であるコンジュゲート繊維も、ヒュービス製が世界最高の製品として認められている。この製品は持続性に優れ、マットレスやソファーなどに使われて衝撃を吸収する役割も果たす。ヒュービスは年間14万トンのコンジュゲート繊維を生産し、世界市場の24%を占めている。

韓国の産業化時代に韓国経済を牽引してきた代表的な企業コーロンも、高付加価値繊維の生産会社として位置づけられる。コーロンが提供する産業用ポリエステル(高分子化合物)の「アキレン(AKILEN)」は、容易には切れない高強度の糸で、自動車のシートベルトに主に使われる。コーロンによると、全世界の自動車の4台に1台はコーロンで生産したアキレンで作られたシートベルトが装着されている。

コーロンの関係者は、「シートベルトに加えて代表的な車両安全装置であるエアバッグも、コーロン製品が世界で認められている」とし、「車の事故時に空気袋の役割をするクッションを、自動車部品のモジュール会社に供給しているが、国内市場は供給量1位で世界市場は3位を占めている」と強調した。
  • 毎日経済_ユン・ジノ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-02 17:54:23




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