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イラン核交渉妥結、韓国経済に及ぼす影響は

イラン、1500億ドルのインフラ市場の閂ひらく…第2の中東ブーム期待 

イランの核交渉妥結のニュースが伝えられるやいなや、イラン現地の住民たちは国際的孤立を終わらせて、経済回復の契機が整えられたと歓呼の声を高めた。外信によると2日の夜(現地時間)、イランの首都のテヘラン通りには、核交渉妥結のニュースを伝え聞いた数百人の市民が飛び出して、イラン式の祝賀を意味する白ハンカチを振ったり、ダンスをしながら歓呼した。この日は特に、イラン暦で新年の祝日である「ノウルーズ」の最後の日で、連休を過ごしていたイラン住民らの喜びはいっそう増した。テヘランで最も長い道路であるヴァリエ・アスル通りに並んだ車両の運転者はホーンを鳴らしたりもした。

西側の制裁措置が解かれて原油の輸出が増えことになると、不振だったイランの各種インフラ事業への投資にも外国資本が押し寄せるものと見られる。したがって、韓国の各企業は人口8000万人を有するイランは、「第2の中東ブーム」を期待できる新たな機会の土地になる可能性が高まった。

イラン政府は核交渉の妥結以降、約1500億ドル規模の建設・プラント事業を発注すると予想される。自動車・家電・石油化学・鉄鋼などの輸出企業と、現地の原油・資源開発に乗り出す予定の総合商社にさまざまなビジネスチャンスが生まれる見通しだ。財界は、「6月末に予定された詳細な協議案が出ればこそ分かるだろうが、いったん中東輸出とインフラ事業への参加を推進している企業としては、はっきりと好材料になるだろう」と予想した。

最も大きな恩恵が予想される建設会社は、対イラン制裁措置のために中断された石油プラントと現地のインフラ事業に、本格的に飛び込む準備に乗り出した。韓国が経済制裁に同調する直前の2009年、イランで収めた受注額は24億9200万ドルだったし、当時これは国別の受注実績ランキングで6位を記録するほどの「貢献市場」だった。

とは言え、対イラン制裁が本格化した2010年から受注実績が急落し、昨年はわずか949万7000ドルにとどまった。海外建設協会(International Contractors Association of Korea)のクォン・ミョングァン中東チーム長は、「西側諸国の制裁で、これまで中国企業が主にインフラ工事を独占したが、韓国の企業も強みを持っているインフラ分野でのビジネスチャンスが大きく増えるだろう」と期待した。海外建設協会によると、イランの建設・プラント市場の規模は昨年基準で最高600億ドルに迫り、西側の制裁が解かれて外国の投資資本が流入すると、インフラ工事の発注規模ははるかに増えると予想される。イランは韓国政府が2010年7月、米国の対イラン制裁に参加するまで、サウジアラビアとともに「中東の4大受注市場」と呼ばれたが、2010年以降の新規受注は停滞状態を見せ、ほとんどの建設会社が現地から撤退したことがある。

サムスン電子とLG電子が輸出するカラーテレビと携帯電話、洗濯機などの家電製品は、イラン現地市場でも高級製品として認知度が高く、上位圏に分類されており、自動車と部品、冷間圧延鋼板、合成樹脂をはじめとする化学製品も、輸出の機会がさらに増えるだろうと予想される。また、現地での自動車の輸入規制が緩和されれば、現代・起亜自動車をはじめとする国産車と部品メーカーの現地輸出もさらに増えるものと見られる。

現代・起亜自動車は対イラン経済制裁の直前、2万2000台ほどを現地市場で販売してきたが、経済制裁が解けるにしたがって販売サービス網を再構築し、現地市場の攻略に本格的に乗り出す案を検討している。

イランはサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)に続き、韓国の中東地域3位の輸出国だが、対イラン輸出額は2012年に62億5652万ドルを記録した後、2013年は44億8090万ドル、2014年には41億6224万ドルを記録するなど、ここ数年は明確な減少傾向を記録した。昨年基準で対イラン輸出の上位品目は、合成樹脂・カラーテレビ・冷蔵庫・自動車と自動車部品・平板LCDなどだったが、昨年はカラーテレビが前年比で18.8%、平板LCDは7.5%輸出量がそれぞれ減少するなど、昨年よりも全体の輸出量は7.1%減少したことが分かった。

しかし、今年に入って対イラン経済制裁が緩和されるという予想が広がる中で、今年2月までの対イラン輸出実績は7億4000万ドルと、前年同期との対比で46.2%の増加傾向を示した。

これまでイラン産原油を輸入していた精油業界も、現地の原油を再導入する案を検討している。SKイノベーションと現代オイルバンクは、2011年に8718万バレル(92億ドル)のイラン産原油を輸入したが、2012年に米国の要求で事実上、輸入を中断したことがある。ただし世界4位の埋蔵量を保有するイラン産原油が世界市場で本格的に取引される場合、国際原油価格の下落をあおり、精製マージンの悪化で苦戦している精油業界に、また別の悪材料になりうるという分析も出ている。
  • 毎日経済_チェ・スファン記者/キム・テソン記者/キム・ドクシク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-03 16:16:38




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