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LG CNS、LGグループ「フィンテック生態系」を作る


  • LG CNS、LGグループ「フィンテック生態系」を作る
  • < 米国の金融市場におけるインターネット銀行の割合 / 伝統銀行とインターネット専門家銀行の違い >

LGグループは、金融業に興味のあるIT企業がインターネット専門銀行(ネット銀行)をはじめとする、金融企業を設立できるように支援する「フィンテック(FinTech)プラットフォーム事業」に電撃参入した。数年間、金融IT分野で強者の役割を果たしてきた系列会社のLG CNSを通じてだ。

8日、金融業界によるとLG CNSは最近、ソウル市三成洞のグランドインターコンチネンタルホテルで「フィンテックプラットフォーム」試演会を開き、関連技術を多数の金融会社とITベンダーに公開した。金融委員会をはじめとする金融当局にも、技術を紹介したことが伝えられた。創造的な金融スタートアップを大量に育成して、LGグループの「フィンテック生態系」を作りだし、「創業ゆりかご」の役割を果たすということがLG CNSの方針だ。ループペイ(LoopPay)買収を前面に出して、決済市場の生態系づくりに乗り出したサムスングループに対抗し、より大きな絵を描いてみると宣言したわけだ。

LG CNSの「フィンテックプラットフォーム」には、金融経験の浅いIT企業がすぐにでもネット銀行を始めることができるほどに、基盤技術がすべて溶け込んでいる。決済・送金・クラウドファンディングはもちろん、イメージで本人かどうかを選別できる認証技術まで確保した。 LG CNSは国内有数の銀行や保険・証券会社などの、ITインフラ事業分野で国内1位の企業だ。銀行を営むにはITインフラをどのように構成するべきか、すみずみまで知っているというわけだ。このような金融ノウハウを活かし、LG CNS独自のプラットフォームとしてのビジネスモデルを作ったわけだ。芸能人マネージャーとして長年の経験を積んだベテランが、芸能事務所を開いて新人発掘に乗り出したのと同様だ。

韓国のIT企業がこのようなフィンテック・プラットフォームを作り、外部に公開したことは今回が初めてだ。これまでのLG CNSが金融機関の下請けとして、システムを構築することにとどまったならば、そのノウハウを土台に、IT企業が一気に金融会社を設立できるように本格的なサービスに乗り出したわけだ。

一線のIT企業の立場からは、LG CNSと手を握ると少なからぬ利点があると思われる。複雑な銀行技術と規制を見通している事業パートナーと協業し、ネット銀行をはじめとする金融機関を設立する際のコストと時間を大幅に短縮できる。

金融業界の関係者は、「銀行は表面上に見えるものとは異なり、内部システムを設計するためにかなりの努力が必要だ」とし、「金融経験の浅いIT企業が銀行を始めることは不可能に近い」と語った。

LGグループの関係者は、「新たに作られたフィンテック・プラットフォームは、金融機関の設立に必要なすべての機能が備わっており、創造的なアイデアを結合して、すぐにサービスを開始できる」とし、「複雑な金融当局の規制を考慮してシステムを作ることができる利点もある」とした。 LG CNSは準備期間を1年だけ経れば、すぐにネット銀行を運営できると予想した。

産業資本によるネット銀行が発達した米国と日本では、すでにこのような試みが行われている。日本では金融ITの強者である日立が、多数のネット銀行の設立に助産婦の役割を果たしている。全米の銀行数は約7000行と推定されるが、このうち独自のITインフラストラクチャを備えたところは100ヶ所未満に過ぎない。残りはITベンダーのプラットフォームを活用して、大量委託に乗り出しているという意味だ。

韓国では金融機関を除くと、京畿道をはじめとする地方自治団体とネイバー、ダウム、NCソフトなどのIT企業がネット銀行に関心を持っている。これらの企業の多くは水面下でLGと協議している。 LGはこのプラットフォームをベースに、フィンテック生態系を掌握しようとするものと見られる。 LGと協業しようと訪れる創造的なスタートアップとともにアイデアを発展させると、考えてもみなかった新しいビジネスモデルを発掘できるからだ。

このため、世界4カ国で「フィンテックイノベーションラボ」を運営しているアクセンチュア(Accenture)とも協業に乗り出した。越えなければならない峠も少なくない。金融当局がクラウドコンピューティングをはじめとする、電算委託に対する暗黙的な規制を施行しており、問題になることがある。 LGに依存することを憂慮したIT企業は、LGと手を握ることに消極的な可能性もある。
  • 毎日経済_ホン・ジャンウォン記者/チュ・ドンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-08 16:20:40




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