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暁星トルコ工場…欧州スパンデックス市場の攻略拠点


  • 暁星トルコ工場…欧州スパンデックス市場の攻略拠点
  • 暁星トルコのキム・ムンソン法人長が16日、トルコのチェルケスキョイ産業団地に位置するスパンデックス工場で「繊維の半導体」と呼ばれるスパンデックスの品質をチェックしている。 写真提供=チェルケスコイ(トルコ)=カン・ゲマン記者



去る16日、トルコのイスタンブールから車に乗って西北に1時間30分ほど走って訪ねたチェルケスキョイ産業団地。暁星グループが2008年に設立した「暁星イスタンブールテキスタイル」が位置している。欧州の高価なスパンデックス糸の市場攻略のための、暁星の初の現地生産基地だ。

工場の入り口に入ると、3階の高さから1階まで垂らした薄いスパンデックス糸を餅のように抜く作業の真っ最中だ。機械ごとに数十本の糸を同時に抜くことが核心技術であり、生産性を左右するとした。

スパンデックスはポリテトラメチレングリコール(PTMG)とメチレンジピフェニレンイソシアネート(MDI)の二度重合反応に続いて溶剤溶解作業を行う。そして熱い風を吹き込んで液体を瞬時に乾燥させながら、細い糸の形で作成する。このような化学物質の配合比率にも、暁星だけの技術ノウハウが盛り込まれている。工場の他の側では、スパンデックス糸を増やしたが減らす作業を繰り返して引張力を検証した。最後に丸いロールに巻いて自動包装する。白色の薄いスパンデックス糸はすべて同じように見えるが、トルコの工場でのみで20~30種類が作られる。光沢と機能性や耐塩性などに応じて区分される。

暁星トルコ法人はこのようにして生産されたスパンデックス糸を、トルコだけでなくイタリアやスペイン、ポルトガル、エジプトなどのヨーロッパおよびアフリカ地域の繊維加工・衣料メーカー1700カ所に供給している。スパンデックスは綿と混ぜて生地として作られて、デザインを経てアディダス、ナイキ、チャラ、H&M、ビクトリアシークレット、スピード、プラダなどの完成品ブランドとして最終販売される。

特に暁星トルコ法人は現地のジーンズデニム量の約90%にスパンデックスを供給ほど特化している。例えば破れたジーンズを製作するには、外部の衝撃にも耐えられる生地を使わなければならないが、暁星スパンデックスはその高品質を認められた。

スパンデックスは石油化合物であるポリウレタン合成繊維を意味する。既存のゴム糸に比べて約3倍の強度を示す。また元の長さの5~7倍に伸びるが、原状回復率が97%に達するほど伸縮性が良い。 「繊維の半導体」と呼ばれる高付加価値機能性繊維だ。水着やランジェリー、ストッキング、ジーンズなどに多様に活用される。

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暁星は1992年、世界で4番目に国内では初めて独自の技術で開発したスパンデックス糸のブランドとして「クレオラ」という名前を付けた。これはCreation(創造)とOra(ラテン語でゴールド)を合わせて「21世紀の顧客の価値を創造する最高のスパンデックス」という意味を持っている。暁星は現在、中国の競合他社を引き離してスパンデックスの世界市場でシェア32%を占めて世界1位に躍進した。暁星は2008年2月、トルコに年産1万5000トン規模のスパンデックス工場を建設した。続いて3回の増設投資を通じて、現在は2万1000トンまでの生産能力を拡大した。暁星トルコ法人の総投資額は1億5400万ドルに達している。急増するスパンデックスの需要に合わせて、年産6000トンを追加増設する計画も持っている。

ヨーロッパはファッションとテキスタイル市場をリードする有名ブランドが集結したプレミアム市場だ。厳しい品質と技術レベルを必要とする欧州の顧客の目線に合わせ、安定したサプライチェーンを備えることが重要だ。暁星はトルコの現地工場を介して物流費を削減し、新製品の開発と顧客サービスと支援にも柔軟に対応している。

キム・ムンソン暁星トルコ法人長(常務)は、「トルコは繊維が発達した地域であるうえ、欧州でも低い人件費のおかげで製造コストが安い方」とし、「ライフサイクルが短い欧州市場の急な注文をすぐに実現できるため、中国の生産製品に比べて競争力が高い」と説明した。

暁星トルコ工場は徹底的に現地化を目指す。総400人の従業員のうち、韓国駐在員8人を除いてすべてトルコ人だ。公用語として英語を使っている。暁星は初期にトルコ人労働者を選抜して慶北の亀尾工場に派遣して技術教育を受けさせた。ハングルの製品製造マニュアルもトルコ語に変えて作成した。給与や福祉面でもトルコの好ましい職場として通じる。

暁星はトルコ工場を運営しながら、数回の外部変数に直面した。工場の稼働初期に世界金融危機によって倉庫に在庫を積み上げて困難を経なければならなかった。 2010年代半ばにはイスラム国(IS)の出現でトルコ情勢が混乱したし、最近では経済さえ低迷した状況だ。

しかし暁星トルコ工場は、売上げを2017年の1億2800万ドルから昨年は1億4600万ドルまで引き上げ、成長を続けている。営業利益だけを見れば、2009年から11年目で黒字だ。トルコの経済低迷によるリラ安は人件費の削減につながり、ドル決済基準で輸出する暁星トルコの事業所は相対的に反射利益を得たおかげだ。

1966年に東洋ナイロンから出発した暁星グループは、国内市場の成長の限界を克服するためにすばやく海外に目を向けた。大陸ごとの生産拠点とオフィスを順次設立し、顧客に合わせた製品の現地生産と販売インフラも備えている。海外事業所はトルコを含めて、中国、インド、ベトナム、インドネシア、ルーマニア、南アフリカ、米国、メキシコ、ブラジルなど28カ国で90カ所に達する。これによって暁星グループは売上げの70%以上を輸出を通じて稼いでいる。
  • 毎日経済_チェルケスコイ(トルコ)=カン・ゲマン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-07-29 20:12:57




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