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タバコの値上げで「とりあえず1カートン買っておこう」

済州空港の免税店、並んでタバコを買う人々 

「平日なのに朝から夕方までお客様が絶えず押し寄せて、息つく暇もありません」。

先週、金曜日の16日午前。済州島の西帰浦市内の内国人免税店「済州観光公社免税店」のタバコ売り場で働く従業員のAさんは、忙しそうな手つきでたばこ代を計算しながら舌を巻いた。

Aさんは「たばこ代の値上げ後の状況はどうですか」という記者の質問に、「外国人ではなく韓国人を相手にする所だから、ほんらい平日のタバココーナーは閑散としていた」とし、「ところで、今年からたばこ代が2000ウォン近く上がるやいなや、半分の値段にもならない免税タバコを買おうと非喫煙者まで列に並ぶ状況」だと言う。Aさんは「もともとは暇な時間の午前10時から11時までの一時間のあいだで、すでにタバコで100件決済した」と頭を左右に振った。

まだ値上げ前の価格で国産と輸入タバコを売っている済州空港と済州・西帰浦市所在の内国人免税店の合計3カ所で、「買い占め」を彷彿とさせるほどタバコが飛ぶように売れている。免税タバコの価格が市場価格の半分にも及ばず、合法的に1人当たり1カートンだけ買っても2万ウォンから2万7000ウォン残るからだ。フィリップモーリスの「マールボロ」が1カートンで19ドル(2万ウォン)、KT&Gの「エッセ」が18ドル(1万9000ウォン)程度で、市販流通価格の4万5000ウォンよりもはるかに安い。

こうなると新婚旅行に来た花嫁などの非喫煙者まで加勢して、「とりあえずタバコを1カートン買っておこう」と、猫も杓子も免税店を訪ねるのが実情だ。西帰浦市内の内国人免税店を運営する済州観光公社によると、今年に入って19日までに免税店のタバコ販売量は前月比で60%、前年同期比で135%も急増したことが分かった。

一方、国内最大のコンビニ企業A社の場合は、同じ期間にタバコの販売量がそれぞれ57%と35%減少した。コンビニ全体の売上げでタバコが占める割合は確実に35%にも達したが、今月に入って30%台まで低下した。流通業界では「政府がたばこ代をイッキに上げて、免税店の腹ばかりふくれるではないか」という不満の声が出ている。済州国際自由都市開発センター(JDC)が運営する済州空港内の内国人免税店のタバココーナーにも、先週末は観光客が30メートル近く並ぶ珍しい光景が演出された。さらには、輸入タバコの購入者と国産タバコの購入者の列を別々にしたが力不足だった。ある免税店の従業員は、「このように分けて列を作らないと、店の外まで列が長くなって耐えられない」と語った。特に1~2月には済州島に冬の休暇客がたくさん集まり、タバコの買い占めはさらに深刻だ。

政府は「1人当たり1カートンだけ買えるので、買い溜めはないだろう」としたが、現場の雰囲気は少し違っていた。団体観光に来たある50代は「うちのチームはみんな1カートンずつ買って、ソウルに行って売らなきゃという話をするほど」だとし、「10人で10カートンほど買って売っても20万ウォンは軽く残るじゃないか」と語った。

国税庁の関係者は、「小売業者の指定を受けていない個人が、インターネットなどでタバコを売るのは厳然たる違法」とし、「摘発されれば6ヶ月以下の懲役又は500万ウォン以下の罰金に処されることがある」と警告した。

とは言え、免税店のタバコの買い占め現象は当分続くものと見られる。すぐには明確な対策がない。

関税庁の関係者は、「代わりに買って他人に渡す行為は代理購入に該当して不法だが、証拠を取ることは事実上不可能だ」とし、「心証があっても、贈り物にしたと言えば取り締まる方法がない」と語った。

この関係者は、「免税店で売っているタバコも価格を上げればこんな行為を根絶できるのだが、免税店のタバコの価格は関税庁ではなく企業が定めるものなので容易ではない」と付け加えた。政府の一部では、外国タバコの免税限度を現行の1人につき1カートンから5箱に制限する方策を検討していると伝えられた。
  • 毎日経済_済州=パク・イネ記者/キム・テジュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-21 04:01:04




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