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移民に向かう20代の若者たち「韓国を離れたい」

若い世代が韓国で生き残るのは大変なこと 

  • 移民に向かう20代の若者たち「韓国を離れたい」
#ソウル市に所在する名門大学を卒業した後、汝矣島のY証券会社に勤めているキムさん(26・仮名)は昨年から、友人4人と一緒に「移民ギェ(契、複数人が同じ目的のために金銭を集めて、互いに利用すること)」を作った。韓国を離れ、北欧のフィンランドに定住するためのまとまったお金を集めるためだ。彼らは、1ヶ月に50万ウォンずつ無条件に振り込むという原則まで立てた。このように集めた金額は現在、1000万ウォンほどになる。彼らはすべて、S大学とY大学などの名門大学を卒業して銀行・証券・電子・海運会社など、他の人がうらやむような会社に通っている。キムさんは「フィンランドに所在する大学の修士課程に入学した後、現地に定着するつもり」だとし、「韓国とは異なり、そこでは退勤後、余裕をもって自分の時間を持つことができる」と強調した。

「移民ブーム」が社会に進入したばかりの20代の若者の間でも吹いている。新社会人の時からまとまったお金を集めるためのギェ(契)を造成して、必要な場合には「移民スタディー」を通して言語など必要な知識も共有する。

▶ ケンブリッジ・ソウル大学の出身者も溶接工として移民に挑戦

その国で必要な資格を得るために新たに技術を学ぶ人もいる。S大学人文学部を卒業して大企業の人事チームで働いて3年目のイ・サンホさん(29・仮名)は、週末ごとに自動車整備学校に出勤する。北欧諸国に技術移民を行くために自動車整備技能士の資格を取得しようとしているのだ。技術移民は、一般移民に比べて永住権を簡単に取得することができる。

カナダの溶接工の移民資格関連の塾の関係者は「英国の、いわゆる『オックスブリッジ(オックスフォード大学・ケンブリッジ大学の合成語)』経済学博士からソウル大学の卒業生まで驚くほどの高学歴者が溶接工の移民に挑戦している」と耳打ちした。

移民を夢見る新社会人が最も好む国は「福祉国家」として知られているデンマーク・スウェーデンなどの北欧諸国だ。外交部の「在外同胞の現況」によると、デンマークに住む在外同胞は2011年に293人から2013年には538人へと、83.6%も増加した。

彼らが先進国に移民しようとする理由は簡単だ。教育費の上昇、年金恩恵の縮小、高い住宅価格など、韓国での生活がますます若い世代に不利になっているということだ。頻繁な夜勤と不況、増えるストレスなどの競争一辺倒の社会風潮も一役買っている。世界はますますグローバル化して、国間の障壁が消えて言語問題など新たな環境に対する恐怖も以前の世代ほど大きくない。

ソウル大学を卒業したイ・チャンミンさん(29・仮名)は昨年、移民のために2年間勤めていた会社をためらわずに辞めた。初任給4000万ウォンに迫るA企業戦略企画チームで働き、他の人がうらやましがるような暮らしをしているが、今後の養育費問題、教育費問題などを悩んだ末に夫婦が同時に新しい基盤での定着を決心した。

▶ 政府・企業は若い世代に活躍する機会を与えなければならない

専門家は、若者がグローバル時代に海外に進出するのは歓迎すべきことだが、むやみに海外に行こうとするのは警戒しなければならないと助言した。IOM移民政策研究院のオ・ジョンウン研究教育室長は「技術職で移民して、楽に暮らしていけるという話は、まだ特殊な事例だ。先進国であえて韓国人を雇わなければならない理由がないだけに、慎重な判断が必要だ」と語った。

20代の移民ブームは韓国の現実に対する失望感の表現という言葉も出てくる。延世大経営学科のチョン・ドンイル教授は「韓国を離れようとする若い世代の気持ちは、韓国で可能性を見つけられなかった結果」とし「政府は20年後を眺める対策を立てて、企業も外国の文化に対する拒否感が少なく言語駆使力も優れた若い世代が活躍する機会を与えなければならない」と強調した。
  • 毎日経済_ウォン・ヨファン記者/ムン・ジェヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-08 15:11:02




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