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マーズ(MERS)の恐怖をあおるSNS


  • マーズ(MERS)の恐怖をあおるSNS
中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の患者が急速に増え、虚偽の事実や誇張されたうわさがインターネットやソーシャルネットワークサービス(SNS)に乗って広がっている。

「海外で韓国は緊急災害1号の状況だとリアルタイムのニュースが出ている。エボラやサーズ(SARS)より深刻だ」という内容の怪談が急速に広がっている。「韓国のマーズは米軍の実験である可能性もある」という、とんでもない内容もある。一部病院の緊急治療室や集中治療室が閉鎖されたという誤った噂が広がったが、これは患者と接触した医療スタッフが隔離されたことを誇張したり、何らの関連性もないことが確認された。

マーズの急速な伝播により、ただでさえ、幼い子供のいる若い親は「子供を外に送り出すことができない」、「外出を避けなければならない」などの強い恐怖感を示している。小学生の子供がいるオさん(31・仮名)は「朝に娘が『ママ、学校にマーズの感染者が入ってきたらどうしよう』と質問して来た」とし「もちろん、そんなことはないだろうが、想像するだけでも慄然とした」と話した。

今春に最初の子供を出産したキムさん(28・仮名)も「しばらく子供を連れては外出しないつもり」としながら、「マーズの感染者が増え続けているのに、もし感染が疑われている患者にでも会ったらどうするのか」と語った。

病院従事者は、患者の恐怖をなだめるのに大変な苦労をしている。ある大学病院の家庭医学科の看護師は「マーズに関する公告が病院の全掲示板に貼られた」とし「新型インフルエンザやサーズの時のように業務麻痺にまで至らなかったが、マーズ関連の問い合わせの電話が相次いでいる」と語った。大学病院の看護師ユンさん(26・仮名)も「回診時間に患者や保護者がマーズに対する心配を頻繁に表現する」とし、「マスクなどの防護装置や病気自体に対する質問が主だ」と伝えた。

「マーズに対する恐怖感」拡散の原因を提供した当局に対して批判の声も激しい。大学生のキム・ホンチョルさん(27)は、「マーズが疑われる患者が中国に行くまで当局が全く知らなかったというのは話にならない」とし「事件を収拾するどころか、右往左往する姿が国際的な恥を招いている」と語った。専門家は「マーズの恐怖が誇張されている」とし、怪談に惑わされないことを呼びかけた。

大韓感染学会のキム・ホンビン政策企画理事は「当局が初期から病気を積極的に知らせると同時に、国民に十分な情報を与え、コミュニケーションすべきだった」とし「国民は事実が確認されていないデマを流すことを自制し、もし中東に行ってきた人であれば、助け得ることのできる病院に積極的に知らせる必要がある」と強調した。
  • 毎日経済_キム・シギュン記者 / アン・ガプソン記者 / パク・ユネ例記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-30 08:52:23




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