トップ > コリアナウ > 事件事故 > 「セウォル号」3年ぶりに水面上に

「セウォル号」3年ぶりに水面上に

◆ セウォル号引き揚げ秒読み/セウォル号引き揚げはどのように? ◆ 

  • 「セウォル号」3年ぶりに水面上に
△写真=セウォル号の試験引き揚げを開始した22日午前、沈没海域である全羅南道の珍島郡東巨次島(トンゴチャド)沖で、中国の引き揚げ企業「上海サルベージ」社のジャッキングバージ船の船員がセウォル号の引き揚げ作業を準備している。 [写真共同取材団]

政府は22日午前10時から、セウォル号の試験引き揚げに本格的に着手した。この日の午後4時30分現在まで、試験引き揚げには特別に問題のないことが分かった。ただし船体バランスをとるなどの精密な調整作業を続行中であり、試験引き揚げが本引き揚げにつながれば、引き揚げ作業はこの日の夜遅くまで試みられる予定だ。試験引き揚げが仕上げされてすぐに本引き揚げが開始され、その後の工程に支障なく進行されると、6~8時間後には船体が水面上に最初に姿を現わし、10~11時間後には完全に浮上すると予想される。

セウォル号の船体引き揚げは、2014年4月16日のセウォル号事故が発生して約3年ぶりだ。

海洋水産部はリフティングビームの設置などの技術的準備が完了し、波の小さい小潮期に合わせて、気象条件が良好だという判断にしたがってこの日の試験引き揚げと本引き揚げを推進することを決定した。

引き揚げは66本のワイヤで連結されたセウォル号を、両側から少しずつ上げて降ろすことを繰り返す方式で進められる。セウォル号は船の重量だけで6800トン、3年間に積もった各種の堆積物を含む重量は2万トンに達し、海底から1~2メートル持ち上げる試験引き揚げに、最も多くの動力が必要になると分析される。逆に言えば、試験引き揚げの陣痛によく耐えた後は、本引き揚げのプロセスは比較的容易に行えるだろうというわけだ。

ただし、この日の試験引き揚げには時間が思ったより長くかかるやいなや、一部では次の小潮期の4月5日に引き揚げが遅れるのではないかという見通しまで出てきた。

先立って海洋水産部はこの日午前6時、国内外の気象予報が共通して波の小さい小潮期(3月22~24日)のあいだ「波高1メートル、風速10.8メートル/秒以内」の良好な気象が続くものと予想され、ユン・ハクペ海洋水産部次官を状況室長とする「セウォル号船体引き揚げ状況室」を構成し、現場指揮班と現場の状況を最終点検し、試験引き揚げを決定したと明らかにした。

  • 「セウォル号」3年ぶりに水面上に
  • < 緊迫していた22日のセウォル号引き揚げ現場 >

試験引き揚げではセウォル号の船体を海底から1~2メートル引き揚げて、66本の引き揚げワイヤーと油圧ジャッキにかかる荷重を測定し、船体が水平状態を維持できるように配分する。左舷に傾いているセウォル号は重心が船尾部分に集中しており、この段階で精密な調整作業が要求されるため、引き揚げ作業中の作業船の周辺1カイリ(1.8キロメートル)以内での船舶航行と、500フィート(約150メートル )以内のヘリコプターの接近が禁止される。海洋水産部は、この過程で船体のバランスが無理なく制御されていると判断されたならば、本格的な引き揚げを行う予定だと説明した。

引き揚げに成功して海の上に引き上げられたセウォル号は、半潜水船が待機している安全地帯(潮流の良好な海域)に移動し、長さ216.7メートル・幅63メートル・重量7万2000トンの半潜水船(潜水可能深度26.0メートル)に船積み・浮揚されて、木浦新港の鉄材埠頭に移動する。木浦新港までの距離は約87キロメートルで遠くはないが、巨大な船が損傷しないようにゆっくりと移動させる関係で、すべての過程は気象条件によって15~20日ほどかかると予想される。

一方、セウォル号は3年近く海の下に沈んでいたので、船の水を抜いて運搬船に固定するだけで約3日かかることが分かった。セウォル号が木浦新港の鉄材埠頭に据え置かれた後は、引き揚げ状況室を現場の収拾本部体制に転換して稼働する。

船舶の据え置き後は事故の原因など、船体の調査に数ヶ月かかることが予想される。政府は内部調査のためには船体の一部を切除しなければならないという立場だが、遺族が反対しており、調整が必要になるものと見られる。先立って海洋水産部は去る21日から「セウォル号船体調査委員会の設置及び運営に関する特別法案」が公布・施行され、「セウォル号船体調査委員会」が発足する予定だと明らかにした。

特別法は、キム・ヒョングォン議員(共に民主党)など14人が発議した法案と、キム・テフム議員(自由韓国党)など10人が発議した法案をもとに、2法案を折衝して整えたもので、調査委員会の構成と運営期間などを規定する。

特別法は船体調査委員会の主な業務(法第5条)を△セウォル号の船体調査、△船体引き揚げ指導・点検、△未収拾者の収拾、遺留品と遺失物収拾過程のチェック、△船体処理に関する意見表明を決めた。委員会の構成(法第6条)は、国会が選出する5人と犠牲者の家族代表が選出する3人を含む8人にして、このうち少なくとも6人(全体の委員の3分の2以上)は船舶と海洋事故に関連する分野で5年以上従事した者を選出するようにした。

委員会の活動期間(法第6条)は、委員会が決定した「調査開始日」から6ヶ月以内であり、4ヶ月以内の範囲で一回延長することができる。委員会は国会と犠牲者の家族代表が委員を選出し、任命するとすぐに公式活動を始めることになっており、政府は委員会がすみやかに調査活動に着手できるように支援を派遣する予定だ。

政府は木浦新港の船舶据え置き予定地点の周辺に、コンテナに40あまりで事務室を構成して運営する予定だ。事務室はセウォル号の業務を総括する海洋水産部セウォル号現場収拾本部をはじめ、セウォル号の遺族と未収拾者の家族などのためのスペースだ。
  • 毎日経済_イ・スンユン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-03-23 00:05:53




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア