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「九死に一生」サッカー韓国代表…「REBUILD」が必要だ


9回連続ワールドカップ本戦進出という結果を得たが、その過程はスムーズではなかった。 「命拾い」といえるほどだ。申台龍(シン・テヨン)監督が率いるサッカー韓国代表チームは6日未明(韓国時間)、ウズベキスタンのタシケントのブニョドコルスタジアムで行われたウズベキスタンとの「2018ロシアワールドカップ」最終予選10戦で0対0の引き分けに終わった。これによって4勝3分け3敗(勝ち点15)を記録した韓国は、シリア(3勝4分け3敗・勝ち点13)を退けることができた。

しかし、サッカーファンたちの表現どおりに「ワールドカップに進出させられた」「アジア特別選考なため、本戦では『恥さらし』予約」という言葉を聞いても何も言えないゲーム内容だった。危機の韓国サッカーを立て直す「REBUILD」道を見つける必要があるという理由だ。

◆ R-Reset

リセットが必要だ。残り時間がない。W杯本大会が開催される来年6月までに残された時間はもうわずか9~10か月あまりだ。チームを再建するにはあまり長い時間ではない。まずは決められたスケジュールがある。来る12月1日にモスクワで2018ロシアW杯本大会の組み合わせ抽選が行われる。相手チームを確定した代表チームは、12月に日本で開催される「東アジアカップ」に出場する予定だ。欧州組の合流が難しい時期であるだけに、Kリーグの選手たちを集中して訓練する時期だ。

続いて来年1月には、歴代ワールドカップ進出時にはお馴染みの合宿訓練に発つ可能性が高い。この時期には欧州組まで全て集め、たとえ敗れるとしても強いチームをスパーリングパートナーとして迎え撃って鍛える必要がある。すでに32ヶ国本戦進出配当金90億ウォンに準備金17億ウォンなどを確保しただけに、強豪とのゲームを手配するべきだろう。すでに11月のAマッチから3月のAマッチまで、それぞれ2ゲームずつ欧州遠征4連戦のシナリオを計画している日本をベンチマーキングすることも一つの方法だ。

◆ E-Equilibrium

攻撃・守備のバランス探せ。まず緊急の課題は攻撃と守備のバランスを取り戻すことだ。 2002年韓日ワールドカップのメンバーだったイ・チョンス解説委員は、「最終予選の10試合では攻撃になると守備ができず、守備をすると攻撃ができなかった。両方ともできなかった試合もある」と悔しさを吐露した。

最後のゲームまでも攻撃で食い違いがあった。末っ子の黄喜燦(ファン・ヒチャン/ザルツブルク)から孫興民(ソン・フンミン/トッテナム)、李同国(イ・ドングク/全北現代)まで、ゴールを3度も強打したウズベキスタン戦は明らかに運のない部分もあったが、基本的なパスミスが多く、意味のあるパスそのものが少なかったという評価だ。その結果、韓国はアジア最終予選得点ランキング13位以内に一人も輩出できなかった。

2ゲーム連続無失点を記録した守備は、なんとか以前に比べて少しずつ良くなっている。その核心はシン・テヨン号発足以来、最高の発見としてあげられるキム・ミンジェ(全北現代)だ。Aマッチの2回だけで守備の軸として浮上したキム・ミンジェは、「緊張する暇もなかった。2ゲーム無失点で幸いだった」という所感を残した。

◆ B-Beginner's mind

初心に帰れ。精神的な部分だけで超えるのは難しい。今回の予選をこなすあいだ、代表チームの選手らの精神状態を心配する声が高かった。レベルの退歩を甘受して高額年俸を追って「中国派」になることを選択した選手をめぐって論議が続き、主将の腕章を巻いた金英権(キム・ヨングォン/広州恒大)が「ワールドカップ競技場の歓声が大きすぎて、疎通できなかった」という発言で袋叩きにあった。

ようやくウズベキスタン戦を終えたあとには、イランとシリアのゲームがまだ終わっていないのにシン監督を胴上げし、喜ぶ姿がひんしゅくを買った。幸いなことにシリアが勝たず、韓国の本戦出場には変化がなかったが、ともすればきまりの悪い状況が演出されるところだった。太極マークを胸につけたまま最善を尽くさない姿を見せるならば、ファンの応援も期待しにくいだろう。

◆ U-Utility

効率性に優れた選手を探せ。各選手らも「マルチプレイヤー」あるいは「ユーティリティプレーヤー」と呼ばれることができるように、多用なポジション消化能力を育てなければならない。代表エントリーに名前を上げることができる者はたった23人だけだ。代表チームがワールドカップでの成果をあげた時期には、柳想鐵(ユ・サンチョル)や朴智星(パク・チソン)など、さまざまなポジションを消化する選手らが大きな助けになった。

一方、今回の代表チームは司令塔である奇誠庸(キ・ソンヨン/スウォンジー・シティ)が予選後半に入ってひざの負傷で欠場し、主力選手らの警告累積などで、ゲームごとに先発構成をめぐって苦心を重ねなければならなかった。センターバックとミッドフィルダーの両方を消化できる権敬源(クォン・ギョンウォン/天津権健)、ウィングと中央を行き来する李在城(イ・ジェソン/全北現代)などの活用度を大きくすれば使えるカードも多くなる。

◆ I-Intelligent strategy

スマートな戦術が必要だ。「珠磨かざれば光なし」。赴任してからほぼ二ヶ月たったシン監督は、いまだ自分の色を代表チームに与える時間がなかった。彼自身さえも「私の色を捨てて、負けることのないサッカーをしたい」と話した。

あまり満足のいく結果はなくてもまずは予選通過に成功しただけに、いまや本人が望むサッカーを試してみることができる見通しだ。予戦最後の2ゲームの競技力が本大会出場に寄与した彼らに対する「選抜加算点」として活用されてはならない。たとえ今は代表チームから離れているが石鉉俊(ソク・ヒョンジュン/トロワ)やイ・ジョンヒョプ(釜山アイパーク)など既存の代表選手はもちろん、李承佑(イ・スンウ/ヘラスヴェローナ)、ペク・スンホ(ジローナ)などの有望株までも考慮し、シン監督特有の戦術を立てなければならないだろう。

◆ L-Leadership

カラーのあるリーダーシップを展開する。優れた戦術は自然と監督のリーダーシップにつながるはずだ。これまでシン監督は選手らの自律性を保証し、自由な雰囲気の中で訓練する「ヒョンニム(兄)リーダーシップ」で名をあげた。満47歳という年齢も比較的若い方だから、コーチにだけ訓練を任せずに直接もまれながら、個性の強い選手らの心をつかむことに長けているということも利点だ。ただし優勢にゲームを展開したが攻撃に重点を置いたあまり、重要なゲームで逆転負けをすることが多いということは短所として指摘を受けたりする。

シン監督は「私は相対的に攻撃的なサッカーが好きな指導者だが、赴任して間もないことから守備に重点を置いた」とし、「しかしこれからロシアワールドカップでは、韓国サッカーがどれだけ強いのか知ることになるだろう」と声を高めた。

◆ D-Donggook

ベテランのイ・ドングクに学ぶ。まだ代表23人のエントリーを発表するまでに多くの時間があるが、いま現在最も「ホット」な選手の一人がイ・ドングクだ。40歳に近いイ・ドングクの存在は、現在の韓国サッカー代表チームの明暗を如実に示している。

「ストライカー」イ・ドングクの健在と切実さは、シン・テヨン号がひとつのチームになるための重要な要素だ。しかし、逆に見れば韓国サッカーの遅い世代交代を示す象徴的な人物でもある。

1998年フランスW杯で新星として登場したイ・ドングクは、20年の歳月を超えて2018ロシアW杯までプレーするとなれば、それ自体が驚くべきストーリーになる。英BBC放送はアジア本戦進出国が選別されたあと、「イ・ドングクはロシアW杯が開催される来年のこの時期には39歳になる」としながらも彼に注目した。果たして彼は残りの期間に競争力を発揮できるのかも、今年のサッカーファンの関心事になる見通しだ。
  • 毎日経済 イ・ヨンイク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-09-06 19:21:56




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