トップ > コリアナウ > 社会 > 今年3回目の鳥インフル…また「人災」

今年3回目の鳥インフル…また「人災」


有名な渡り鳥の渡来地である全羅南道の順天(スンチョン)湾の渡り鳥の糞からも、高病原性の疑いのある「H5N6型鳥インフルエンザ(AI)ウイルス」が検出された。前日、全羅北道高敞(コチャン)の高病原性感染に続き、大規模な渡り鳥の飛来地でも同じ種類のウイルスが発見されて、全国がAI恐怖に陥った。特に高敞アヒル農場のAI感染は、施設保守と防疫強化などで充分防ぐことができた「人災」として明らかになった。

20日、キム・ヨンロク農林畜産食品部長官はAI防疫対策をブリーフィングしながら、「(全北高敞の)AI発生農場に対する疫学調査の結果、畜舎施設が老朽化してビニールが破れており、野生の鳥の糞便が畜舎の屋根から多数確認された」と述べた。

高敞郡興德面(フンドクミョン)に所在するこの農場は、トモエガモの群舞で有名な渡り鳥の渡来地であるトンリム貯水池とわずか250メートルしか離れていない。 2014年にはこの貯水池周辺でH5N8型AIが検出された後、一週間で周囲の農場20ヶ所あまりに感染したこともあった。 AIがいつでも発生する可能性のあるリスクの高い地域だが、定期的な出荷検査のほかに施設点検や防疫指導がなく、防疫に穴があいたわけだ。

AI脆弱農家に対する事前対策も、今回の高敞農場は避けていた。政府は平昌冬季オリンピックを控えてAIを事前に予防するために、9月から89ヶ所のアヒル農場に対する休止期制を導入した。しかし最近2回以上AIが発病したところとその近くの農場に対象を限定して、今回の農場は対象に含まれなかった。

農家のモラルハザードも、AIを招いた原因としてあげられる。政府は、今年4月のAI・口蹄疫防疫改善対策と9月のAI防疫総合対策など、今年だけで2度の対策を発表した。

一ヶ所のみが高病原性の感染判定を受けても、危機警報段階を「深刻」に格上げし、すべての家禽農場と関連施設・資機材などの48時間の移動停止命令(Standstill)を下したことは、一連の対策を踏まえたものだ。しかし畜産農家の施設はもちろん、家畜伝染病に対する警戒心と意識レベルも低いままにとどまっており、AIが反復しているとの指摘が出ている。

カギは高敞農場で発症したAIが、他の農場に伝播するかだ。農食品部は畜産車のGPS情報などを通じて、飼料トラック2台が該当の農場に出入りしたことを確認した。この車両はその後、高敞郡と井邑市一帯の10農場と群山の飼料工場、金堤市と高敞郡の伝統市場を回った。

高敞アヒル農場を中心に半径500メートル以内には家禽農場がないが、3キロメートル以内には5ヶ所の農場(36万5000匹)が、10キロメートル以内には59農場(171万8000匹)があることが確認された。

通常は3日前後であるH5N6型の潜伏期間を考慮すると、一週間以内にウイルス感染事例が出ないようなら安心できる。

この日、農食品部は一時移動停止命令が下された21日の深夜まで、全国のすべての家禽農家や車両の一斉消毒を実施する。また、伝統市場でのひよこの販売を全面禁止する。また中央点検班(16班)を編成し、履行実態を点検する方針だと明らかにした。

全国の家禽販売店(348ヶ所)はいっせいに、休業および消毒回数を月1回から4回に増やすことになる。アヒルはすでに特別防疫期間に設定された先月から、伝統市場での販売が禁止された。

全国166ヶ所の鶏卵GPセンターの消毒などの防疫実態も調べている一方、全国的に家禽農家の集まりが全面禁止される。

イ・ナギョン総理はこの日の午前8時、政府ソウル庁舎で「AI状況点検対策会議」を主宰し、「防疫は初動と現場が重要だ。この2つのキーワードを皆さんに申し上げる」とし、「初動防疫が行き過ぎと思うほど果敢かつ迅速でなければならない」と指示した。

イ首相は徹底した初動防疫と現場点検と関連して、△水の漏れる隙間のない現場防疫、△全国の拠点消毒施設の拡大運営、△即時申告システムの準備、△疫学調査を通じた経路把握、△追加発生時には即時殺処分、などを指示した。

イ首相は「AIが猛威を振るう冬なので安心できないが、われわれは今年の夏の早期終息の経験を持っている」とし、「今回も問題が拡大しないようにうまく、特に中央と現場が別々に動かないように、中央は現場を把握し現場では相互点検する、このようなシステムを備えてほしい」と指示した。
  • 毎日経済 チョ・シヨン記者/ソク・ミンス記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-11-20 20:34:05




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア