Q.韓国の伝統酒を紹介してください(3)…甘紅露(カムホンロ)

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A. 名酒三絶(ミョンジュサムジョル)
いい酒は味と香り、色がすばらしいという意味です。

甘紅露は味も味ですが、きれいに染まった赤い色が飲む前からすでに人を魅了します。

六堂崔南善(ユクダン、チェ・ナムソン)は、朝鮮常識問答で朝鮮の3大名酒を紹介してながら、そのうちの甘紅露を一番に選びました。甘紅露は本来、韓半島の関西地方、簡単に言えば平安道(ピョンアンド)一帯の郷土酒です。

今まで伝わってきた昔話の中に甘紅露を褒めたたえる話があります。

朝鮮時代、地方官吏の中で一番の憧れの対象は平安監司(ピョンアンカムサ)でした。「平安監司も私が嫌いならば終わり」ということわざまで伝えられる程、羨ましい立場でした。平安監司を終えれば中央官庁の重職が保障されています。大臣になる近道だと見ればいいでしょう。

ところがある平安監司は任期が終了したので官職として呼び入れたところ、元々自分は昇進したくなかったと言って平安監司を続けさせてほしいと上疏したそうです。理由を調べてみると甘紅露の味が忘れられないため平壌(ピョンヤン)を離れることができないと思っていたようです。甘紅露の味に惚れた人は役人だけではありません。平安監司のそばでお酒を注いだ妓生もお酒の香りに魅了されていました。当時、朝鮮全土の妓生の中で平壌の妓生が一番だと言われていたので、もしかしたら平安監司は甘紅露を注ぐきれいな妓生に心を奪われていたのかもしれません。

過去の文献は甘紅露を朝鮮の名酒に選んでいます。19世紀の儒学者、李圭景(イ・ギュギョン)は「中国に五香露酒(オヒャンロジュ)があるならば、我が国には平壌の甘紅露がある」と紹介しました。

昔話の鼈主簿伝(ピョルチュブジョン)にも、ウサギを誘って海の龍王に連れていこうとしていたスッポンが「竜宮城に行けば甘紅露がある」とよだれが出るような言葉を言う場面も出てきます。

元々、 甘紅露は北朝鮮のお酒ですが、平壌で甘紅露とムンベ酒を作った故イ・ギョンチャンさんが朝鮮戦争を避けて坡州(パジュ)に下ってきて南側で命脈を保つことになりました。そうするうちに糧穀管理法で米でお酒を醸造するのを禁止したせいでしばらく命脈が途絶えました。1986年から再び生産し始めましたが、なぜか国家指定8大民族酒には選ばれませんでした。おそらく本産地が北側だからかもしれません。(甘紅露と同じように平壌近隣の郷土酒だったムンベ酒は8大民族酒に指定されました)

イ・ギョンチャンさんの秘法は次男を経て、現在は故人の末娘であるイ・ギスク名人が受け継いでいます。長男にはムンベ酒、次男には甘紅露の製造技術を伝授しましたが、次男のイ・ギヤンさんが亡くなった後、娘が受け継ぎました。

  • 亡くなった父親イ・ギョンチャンさんが作った甘紅露を抱いているイ・ギスク名人



甘紅露は珍島(チンド)の紅酒と製造技法と外見は似ていますが、それより厳密でとても難しいです。

文献に紹介された甘紅露の製造法はお酒を3度、煮込むようになっています。この過程を通じてアルコールの度数が強くなります。きついお酒を純化させるために蒸留する時、お酒を入れる壷の底に蜂蜜を塗ります。甘紅露特有の赤い色は霊芝から生じます。アルコール度数が45%~70%に達するきついお酒なのに味が甘くてなめらかなのは、蜂蜜のおかげです。

お酒の研究家は韓半島の北側の住民たちが身を切るような寒さを克服するために度数が高いお酒を作って、酒毒の負担を減らすために蜂蜜を使ったと推測しています。

ただし現在、再現された甘紅露は霊芝の量が少なくて赤い光をほとんど分かりません。お酒に霊芝を長く漬ければお酒の味を害するので少しだけ使うそうですが、作る度に売れてすぐに飲んでしまうならば、霊芝の量を少なくする必要はないと思うと少し残念です。

甘紅露は2014年国際スローフード(Slow-Food)で「Art of Taste、味の箱舟」に選ばれた程、認められたお酒ですが、お酒の度数が高いし値段も高いためか、あまり売れないようです。今の現代百貨店、新世界百貨店で売っている甘紅露の価格は400ミリリットルが45,000ウォン、700ミリリットルは75,000ウォンです。「死ぬまで飲もう」と言う程、お酒が好きな酒党たちが負担なく飲める値段ではありません。イ・ギスク名人も赤字状態で「家業を継続する」という一心でお酒を醸造しています。

お酒を水で薄めて度数を20度くらいに下げれば、値段も安くなって飲む人も負担が減るでしょうが、イ・ギスク名人はそうするつもりはないように見えます。「世の中と迎合して本来の名酒を亡ぼすことはできない」という意志を酒党たちが理解してほしいです。
  • Lim, Chul
  • 入力 2019-05-09 00:00:00

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