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「Kロボット」300兆市場へ進撃…現代自ロボティクスラボ訪問


  • 「Kロボット」300兆市場へ進撃…現代自ロボティクスラボ訪問

  • 去る16日、現代自動車の義王中央研究所」ロボティクスラボでウォン・ホソプ記者が現代自動車が開発したウェアラブルロボット「ベックス」と「チェックス」を着用している。脚に着用する「チェックス」は、膝を曲げた姿勢でも腰、膝、骨盤に負担をかけないように設計された。胸と腰に着用した「ベックス」は上半身を補助する。 [写真提供=現代自動車]


「ジイン~ジイン~」と、小さな機械音とともに左足が前方に進んだ。杖のように見える「クラッチ」のボタンをもう一度押すと右足が動いた。まるで映画『アイアンマン』に登場するスーツのように、記者の足を包んでいたロボットの足が自然に一歩ずつ動いた。足にまったく力を入れなくても、充分に好きな場所に移動できた。記者が着用したのは現代自動車のロボティクスラボが下半身麻痺患者の移動を支援するために開発した、医療用ロボット「メックス(MEX)」の最新バージョンだ。

去る16日、国内メディアに初公開された「メックス」の最新型は既存の製品よりも一段階進化したモデルで、昨秋に米国で使用性評価を終え、米国食品医薬局(FDA)の承認申請のための準備を進めているところだ。現代自動車のロボティクスラボのリーダーであるヒョン・ドンジン常務は「市場の状況と規制や消費者のニーズなど、さまざまな状況を考慮して多様なロボットの商用化を準備している」とし、「2024~2025年になれば、現代自動車が開発したロボットを市場に出荷できると期待する」と語った。

ロボット分野が本格的な成長期に入ったという判断から、世界的な企業が次々とロボット技術の先取りに乗り出したなかで、韓国を代表する完成自動車企業である現代自動車もロボット事業の力量を強化していった。すでに「ベックス(VEX)」と「チェックス(CEX)」と呼ばれる産業用着用ロボットを、世界の完成車メーカーの中で初めて商用化した。このほかに医療用ウェアラブルロボットの「メックス」をはじめ、電気自動車充電ロボット、顧客対応サービスロボットなどの多様なロボットを開発している。

16日、京畿道の儀旺市に位置する現代自動車グループのロボティクスラボ。 2018年に現代自動車グループはロボットと人工知能(AI)を未来の新成長分野として選定し、ロボティクスチームを新設した。翌年には組織をロボティクスラボに格上げし、さらに力を乗せた。ロボティクスラボの人材規模は非公開だ。ただし業界は人材や研究分野はもちろん、現代自動車をはじめ、現代ロテムと現代ウィアなどの系列会社との協力研究などを考慮する場合、その規模は国内で2番目にすれば物足りないレベルだろうと見ている。

ロボティクスラボで初めて記者を迎えたのは、営業拠点サービスロボット「DAL-e」のテストバージョンだった。今年1月から現代自動車のソウル松坡大通り支店で顧客に応対している「タリ」のなめらかな外観とは異なり、テストロボットはまるでターミネーターの内部を見るように電線とチップがむき出しになっていた。

この日の「タリ」は独立して動く4つのホイールを利用して、障害物を避ける実験を進行中だった。大きなボックスが前を遮ると、ロボットはぶつからないように後ろに素早く動いた。突発状況でも速度を調節し、障害物を避けて移動した。

ロボティクスラボが開発した電気自動車の自動充電ロボットも、直接見ることができた。ロボットアームが電気自動車の充電口を素早く認識し、ケーブルを差し込んで充電を始めた。ユン・ビョンホ現代自動車パート長は「このロボットはアイオニック5のような電気自動車と無線で通信して動作する」とし、「運転者が車を駐車すると電気自動車は自動的にロボットの近くに移動し、オーナーが事前に入力した分を充電する」という説明だった。電気自動車充電ロボットの技術は商用化水準に近いという評価だ。

腕と脚に着用するウェアラブルロボットの「ベックス」と「チェックス」も体験した。「ベックス」を着用して2キロの電動ドリルを持ち上げたが、重量は全く感じられなかった。工具を5秒以上頭の上に持っているのが難しかったのに、「ベックス」を着用すると20秒以上持っていても腕に無理が行かなかった。「チェックス」は腰を下げなければならない状況で、座った姿勢で作業できるように助けて膝関節の負担を軽減する。

ヒョン常務は「関節技術を利用したウェアラブルロボットのほかに、ロボットの室内外移動を拡大する新概念のモビリティプラットフォームと配送サービスロボットの技術も研究を進めている」と語った。

現代自動車グループが昨年買収した米ボストンダイナミックスとロボティクスラボの交流も本格的に始まった。

ボストンダイナミックスは「ビッグドッグ」をはじめヒューマノイドロボット「アトラス」や4族歩行ロボット「スポット」などを開発し、ロボット分野では世界最高レベルの技術を保有すると知られている企業だ。ヒョん常務は「自動車会社が持っている強みとボストンダイナミックスの技術を連携したプロジェクトを準備している」と語る。ボストンダイナミックスが「関節ロボット」分野での技術力に優れているだけに、これを利用して山岳地形での移動が可能だったり、階段を上り下りすることができるモビリティの開発なども期待できる。 「ホイール」があればこそ動けるというモビリティの概念が拡張されるわけだ。

特にボストンダイナミックスも「スポット」をはじめ、物流荷物の上げ下げロボット「Stretch(ストレッチ)」の商用化を予告して、研究企業から販売企業へ転換している。
  • 毎日経済 | 儀旺=ウォン・ホソプ記者
  • 入力 2021-12-27 19:37:11




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