トップ > コラム > FOCUS > 社会生活でも「私教育」を受ける大韓民国

社会生活でも「私教育」を受ける大韓民国

11万ウォンで18時間のインターネット講義 

  • 社会生活でも「私教育」を受ける大韓民国
「他の人が上司の悪口を言うときには、積極的に言い訳をして上司の肩を持つ。栄光は上司に、責任は私にある。いずれの場合も、他人に上司の弱点や秘密は言わない」

昨年、中堅企業に入社したキムさん(28)は、最近、新入社員を対象に処世術を教えるインターネット講義を聞いている。彼は苦労して就職したが、新しい人生に慣れていなかった。これは、そのまま社会生活入門に対する負担感としてのしかかった。キムさんは「2年以上の就業準備期間に、ほとんど周囲の人々との間に壁を作って暮らしてきた」とし「組織で人間関係を新たに形成していかなければならないことが、負担に感じられ、インターネット講義からでも助けが得られたらと思う」と打ち明けた。

社会生活さえもインターネット講義で「先行学習」する時代が訪れている。就職難が慢性化して準備期間が長くなって現れた変化だ。数年間、人間関係に気を使う暇なく、自分一人でスペックをアップグレードすることに専念してきた「脱就業準備生」の間で、このような「窮余の策」が人気を集め始めた。インターネット上だけで、10以上の関連サイトが検索されるほど、最近、急速に増えている。

新入社員を対象に、様々な講義が用意されているある教育サイト。ここで、11万ウォンの料金で18時間をかけて提供される講義の目標は、3つだ。様々なコミュニケーション手法を学んで会社内での円満な人間関係を維持すること、会社員として持たなければなら心得とマナーを理解すること、レポート・企画書・プレゼンテーションの作成などと、会社生活概論といっても過言ではない。このサイトの関係者は、「組織生活の力量強化と関連したテーマでパッケージコースが準備されており、学習者の間で現業に役立つという評価を受けている」とし、「インターネット講義を介して簡便に聞くことができるというのが強みとして作用するようだ」と話した。

しかし、一部の講義では「上司に無条件的に服従する生活」を模範答案のように提示する内容もあり、眉をひそめさせている。1か月に9万ウォンを払えば、16時間の分量が提供されるある講義では、「組織での成功と生存方法を学習して、組織の成果創出に貢献する」というフレーズを掲げて受講生を集めている。

この講義の中・後半のセクションのうちの一つ、「組織と上司を動かす忠誠心」を見ると特にそうだ。「どのようにしたら上司の気持ちが良くなるか工夫する」「上司を称賛するネタが生じれば、熱く褒める」「上司の弱点をどのように補完するか、いつも考える」「上司が幅広い情報を得ることができるようにアンテナを高く張る」など、まるで上司の『龍飛御天歌』を彷彿とさせる。

会社員たちの反応はまちまちだ。2年目の会社員チェさん(27)は、「小・中・高・大学に続いて、職場生活まで私教育の助けが必要な時代なのか」と遺憾の意を示した。3年目の会社員パクさん(30)は、「社会生活にアドバイスを与えるという講義の趣旨は理解するが、『部下は上司に無条件に従うべきだ』と説破する部分は少しひどいのではないか」と不快感を示した。

このような講義を提供している教育サイトの関係者は、「2011年から講義を行っているが、毎年着実に個人レベルの受講生が増えている」とし「会社の業務でストレスを受けたり、今まさに入社を控えている青年の中で、アドバイスを得ようとする人が主流を成している」とした。一部問題視される講義内容については、「講義を製作して、目次を構成した講師と関連する部分なので、関与するのは難しい」と言葉を慎んだ。
  • 毎日経済_キム・シギュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-03-13 16:11:56




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア