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[SNSの世界] 日常の自慢…その致命的な副作用

関心を望む心の病のせい 

  • [SNSの世界] 日常の自慢…その致命的な副作用
ソウル大学の消費トレンド分析センターは、『トレンド・コリア2015』を発刊し、10代のキーワードのひとつとしてSNSを通じた「日常の自慢」を選定した。SNSなどのソーシャルメディアを介して他人に日常を誇示して自慢し、「いいね!」(フェイスブック)などで周辺の共感を引き出し、自分自身の存在感を確認することが普遍化したというものだ。実際に高価でおいしい食べ物を食べるシーンや新しく買った服とレアアイテムなど、それぞれが発見して味わったものが筆者のSNSフィードを占めていた。

あふれる他人の自慢に豊かな心で共感と呼応を送ることもできるが、少なからぬ人々が冷めた視線を送る。

「あの子はうまくいっているのに、私は享受できていない」という感じの相対的剥奪感もあるが、それは一部だ。続々と上がってくる山海の珍味の写真や高価なものの写真に冷笑と疲労感を感じるようになる。まるで子供が関心を求めるように、自分の日常をラッピングして生中継する姿は、多くの人々を当惑させるのだ。

会社員のチョン・ヨンジンさんは「会社でのちょっとした休み時間にも友達が投稿したセルカ(自分撮り)写真を見てストレスを受ける自分を発見した。自分が過敏反応しているのではないかと、一方で怖い」と吐露した。チョンさんは先月、大学入学を控えた高校生がSNSを介して知り合った浪人生のせいで入学が取り消された事件に言及した。浪人生が行きたかった学校に合格した友人が、SNSにこれを自慢した​​瞬間、嫉妬心を抑えることができず、本人であるかのように偽装して大学入学金を返金して登録を解除させた事件だった。チョンさんは、「最初は、被害者と加害者がSNSの友人だった点で衝撃を受けたが、フェイスブックを見ていると、そのような心が少し理解できる」と語った。

SNSは人と世界をつないで、普通の人のコミュニケーション窓口を拡大し、国際的な問題を解決することにも多くの助けを与えた革新の産物だ。しかし、副作用も少なくない。人間なら誰もが持っているスノビズム(snobbism、誇示欲)がこの窓口を通じて過大包装されるからだ。これは、物質的なもの(高価な食品や物)や非物質的なもの(偏向行動や失言など)を選ばない。

専門家たちは、これらについて「関心を願う心の病」という分析を出したりする。世間では「関心病」患者だと格下げして呼ぶ。

これにより、SNSの世界には、関心病の程度と方式による様々な隱語が乱舞している。「クァンジョン」は、関心病の種族という意味で関心病患者よりも重度の症状を示す人を指す言葉だ。SNSに自分の写真を過度に投稿したり、自分が行った事について、自ら賞賛し、他人の反応を引き出すために執着している全てのケースがこれに属する。

クァンジョンから感じられる卑下的な語感は、他人の自慢と誇示に接する人々がこれにますます暴力的に反応していることを示す証拠でもある。英語の単語に由来すると推定される「オグロ」は、悪質な書き込みなどにより、非難を受けたとしても注目を集めてたいケースだ。彼らは特定の層や人物に侮辱や攻撃を加えて、他の層の反発を引き出す状況を楽しみ、これを自慢に思っている。韓日関係や政治が主な素材となる。昨年、シン・ウンミとファンソンのトークコンサートで爆発物を爆発させようとして失敗した高校生は、先月、国会議員から受け取った手紙をSNSに公開してオグロ議論を起こした。非暴力的な方法で北朝鮮の人権について考えようという相手のメール内容よりも、本人の行動に正当性を付与する虚勢だけが残った。

SNSの弊害が明らかになり、国内の著名人をはじめ、多くの人々がイングランドのアレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)サッカー監督の言葉を噛みしめている。「SNSがなくてもできることは数万種類だ。あれは本当に時間の無駄」と指摘した言葉は、もう一つの現代の名言となっている。
  • 毎日経済 イ・ギョンジン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-03-13 16:24:15




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