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[I ♥ 建築] 自動車とカーフィルム


  • [I ♥ 建築] 自動車とカーフィルム
韓国科学技術研究院(KIST)のキム・デシク教授は、人工知能が発達して無人自動車時代が来たら、自動車を所有せずレンタルする時代になり、レンタルするから駐車場も必要なくなると言った。建築家である筆者には駐車場がなくなるという内容が最も興味深かった。

韓国では法規上、要求される駐車場スペースのために小さなビルの1階はほとんど駐車場になっている。この駐車場は、街の風景を台無しにする主犯だ。駐車場がない都市の風景を早く見たいが、惜しくも今後もしばらくの間、自動車は売れ続けて駐車場は残るだろうと思う。その理由は、自動車が移動手段以上の意味を持っているからだ。自動車は自由だ。自動車は単なる移動の自由以上のものを与えている。

私生活は、言い換えれば、一定の空間の完全な所有を意味する。自分がその空間を完全に所有することができる空間でのみ、私たちは私生活を露出させることができる。したがって、空間を所有するということは、まさに自由を意味する。最も私的な空間は、自分の家や部屋だ。

しかし、最近のような世界で自分だけの空間を所有するには多くの金がかかる。大金をかけて大きな家を買うことができないので、私たちは時間単位で小さな空間をレンタルする。それがカフェ、カラオケ、ビデオ店、モーテルだ。もう少し余裕がある人は、車を買う。自動車は、防音のされている私的な空間だ。また、同時に移動が可能なため、静かなところに行って駐車さえすれば、周辺の空間を自分のものにすることができる装置でもある。

常に人にもまれて生きていかなければならない現代人は、自分だけの空間を、これまで以上に必要とする。このような時代に、自動車ほど安価に防音された私的な空間を提供する方法はない。さらに、良いブランドの自動車は、時間・場所に関係なく、自分自身を誇示することもできる。自動車の空間をより私的にするために、より濃いカーフィルムを貼ろうとする。カーフィルムで窓ガラスを壁にするのだ。

最近の若者たちは家よりも自動車を先に購入する。自動車は、韓国社会でプライベートな空間を所有することのできる最小単位であり、価格性能比が最も良い「空間」だからだ。
  • 毎日経済_弘益大学建築学科のユ・ヒョンジュン教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-09 17:33:06




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