トップ > コラム > オピニオン > [コラム] 通貨戦争も米国は日本の味方なのか

[コラム] 通貨戦争も米国は日本の味方なのか


日本が無制限の量的緩和で資金を供給して円の価値を落としても米国はこれを黙認し、韓国には少しだけ市場に介入しただけでも通貨操作国だと注意を与えることについて、韓国の気分はあまりよくない。新日本同盟を通じて外交・軍事的に米国は日本を支持したが、経済でも味方をするのか。

韓国銀行は先週、金利を下げずに1.75%で据え置いた。香港国際金融の専門家らは「韓国の金利は高すぎる」と言う。あれこれと言葉を並べなくても、韓国証券市場に外国資本が4兆ウォン以上押し寄せ、債権もよく売れている。国際収支は毎月史上最大値を記録し、年間1000億ドルを突破する勢いだ。株式市場と国際収支の黒字により外資は押し寄せてくるが、海外へ抜けでる穴はほぼ塞がれている。だから、需給面からウォン高にならざるをえない。

そのため、目玉商品は苦しくなる。第1四半期の輸出は4%以上減少した。もともと輸出の減少は国際収支を悪化させ、通貨安になれば韓国製品の価格が安くなり、再び海外でよく売れるというサイクルが国際貿易論の理屈だ。ところが、韓国は輸入の方がさらに減っている。なぜなら、国内の消費と投資がそのギャップを埋めることができないからだ。

韓国の通貨の価値が上がる時、外国の機械を安く買って工場設備を増やしたり、外国の消費財を安値で買い入れて豪華に暮らせば良いというのもまた経済理論だ。しかし、そうはならない。その最初の原因は、老後生活に対する不安から消費を余りしないことにある。第二に、企業が自信を失い、投資を躊躇っている。このように経済理論は逆に回り、輸出の減少にもかかわらず、ウォンはさらに強気になり、経済はさらに萎縮する、螺旋状の悪のサイクルに巻き込まれたのだ。

日本はどうだろうか。ウォン・円の平均為替レートをみると、2012年の100円当たり1431ウォンから最近は900ウォン台が崩れた。安倍首相の就任後、ウォンはドル対比1.8%上昇した反面、円はなんと27.1%も急落した。結果的に韓国ウォンは日本円対比で34.8%の強気を示現した。第1四半期の自動車輸出は9%も減少し、石油類は38.6%暴落した。米国で現代自動車の「ソナタ」の価格がトヨタの「カムリ」よりも高いという話は有名だ。最初からゲームができないほどに、為替戦争で敗れたのだ。これは、緊急事態だ。何よりも青年雇用を創出する投資、消費が生き返らないことは大問題だ。

崔炅煥(チェ・ギョンファン)経済副総理や李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁は何をしているのか。非常事態には非常な政策を展開しなければならない。韓国銀行は金利を2%から1%台に下げることは決してしないように見せかけていたが、1.75%に下げてから、その後、どれほど多くの小さな奇跡が起きただろうか。実物が大きく動いた。株式市場で金を儲けたと言う声が聞こえて、メンズスーツが久しぶりに売れるというニュースも聞こえてくる。日本の黒田東彦総裁や米国のバーナンキ前FRB議長が韓国銀行総裁だったら、今月も金利を下げたのではないだろうか。

「すべての金融政策は通貨戦争」という表現は正鵠を得た表現だ。1930年代には働き口(job)を保護するために、米国のスムート・ホーリー法をはじめとして、各国が無知にも関税率の引き上げ競争を行い、共倒れした。2008年の金融危機以降には、そのようなことをあからさまにしなかったものの、最終的には通貨政策を巧みに駆使している。米国に続いてヨーロッパ・日本の量的緩和が代表的だ。

韓国も対策を講じなければならない。金利をさらに下げるのも方法であるはずだ。さらに重要なのは、国内にあふれる外資を海外に抜きだすことだ。現在では、海外ファンドや株式投資などに対して、一般的に15.4%を課税し、一部の株式投資の場合は譲渡差益まで勘案すれば、42%の税金を課す。金が流れていかないように。その結果、ウォン高の圧力がいっぱいになるまで閉じ込めておいたのだ。逆に日本は200兆ウォン以上を海外株式への投資で強制的に送りだした。最終的には金も儲けて、円をさらに下落させたが、これに比べると、韓国の経済チームはずっと下手だ。

このコラムの冒頭で指摘した米国が韓国の外国為替市場の介入を指摘する問題についても、もう少し頭を使わなければならない。自分がすればロマンス、他人がすれば不倫になるように、米国の専売特許の量的緩和については寛大だ。このような恩恵を日本とヨーロッパが享受している。ところが、直接外国為替市場に中央銀行が飛び込んで相場を動かす行為は、不倫に該当するというわけだ。外国為替市場に介入する時も「透明性」を要求する。どれほど介入したのか、できるだけ事前のデータを公開しろということだ。ブラジルとメキシコ、台湾がそうしている。韓国もそうしなければならない。為替レートは、国家競争力の致命的な急所であるからだ。
  • 毎日経済_キム・セヒョン主筆 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-19 17:20:32




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア