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[コラム] 韓国では「夫婦の日」も法定記念日だ

プレゼントをくれないとケンカをする夫婦がいるのではないか心配 

韓国で「家庭の月」と言われる5月には多くの記念日が集まっているが、うっかり見逃しやすい記念日がある。

数日前の5月21日、「夫婦の日」だ。ちょっとおかしく聞こえるかも知れないが、世界初の発明品だ。さらに、厳然とした国指定の法定記念日だ。ただし、残念ながら祝日ではない。

「夫婦の日」を作ろうと命をかけて(? )奔走した人は、権載道(クォン・ジェド)牧師だ。彼は1995年のこどもの日にテレビを見ていて、願い事を尋ねた質問にこどもが「ママとパパと一緒に暮らすこと」と答えた言葉にショックを受けたと伝えられている。

家和万事成(家和して万事成る)という昔の話のように、家庭が平和であってこそ、国も堅固になるという話は、もっともな話だ。朝から夫婦喧嘩をして家を出てきた後、一日の仕事が順調に進むことを期待するのは難しい。表情が暗いと、周りが「夫婦喧嘩をしたんだな」と噂話をするのではかないかと、訳もなくくしゃみがでる。

クォン・ジェド牧師は、狂った人という言葉を聞きながらも「夫婦の日委員会」を作り、国会に記念日として制定してもらうよう請願した。

周りからの視線はひりひりと痛かった。家庭不和と離婚する夫婦の増加、固定化した晩婚の傾向など、家族解体の過程が進行している状況で登場した「夫婦の日」を作ろうというアイデアは嘲笑を買うのに十分だった。特に、経済事情のせいで結婚どころか、恋愛さえも負担に感じている若い男女が増える傾向に逆行するものだ。結婚ができなかった人を嘲弄するのかという非難も受けた。

そうなればなるほど、彼は声を高めた。彼のメッセージは簡単だった。健康な夫婦と幸せな家庭は、希望に満ちた社会を作っていく礎石になる。社会が混濁するほど、離婚率が高まるほど、「夫婦の日」を作る必要性はさらに大きくなるというのが彼の主張だった。

一抹の論理を備えて10年の間、刻苦の努力を傾けたおかげで「夫婦の日」制定に対する同意案が2003年に国会を通過した。その瞬間、クォン・ジェド牧師は喜びの涙を流したという。

夫婦の日を作った後、彼が主導する「夫婦の日委員会」は、各種イベントを開いてこの日を知らせるために努力しているが、まだあまり反応を得ることはできていない方だ。ややもすると、どこかで「夫婦の日」の話を聞いてプレゼントを期待したのに、何も持たずに帰宅した夫とケンカしなければ幸いだという日に転落した。

子供の日、父母の日、先生の日、成年の日にさえも商品を販売しようとあらゆる商術を動員する企業も、夫婦の日には売上高が増加することを期待していない様子だ。

とにかく韓国社会は夫婦の日をあざ笑うかのように、離婚率が非常に高い国になってしまった。夫婦の日が制定された翌年の2004年は、韓国の離婚件数が13万8900件で、ピークに達した。その後、やや減少したりしたが、依然として毎年11万組以上の夫婦が別れるいる。法的に離婚書類に印鑑を押さなくても、他人のように普通に暮らす夫婦も相当数に達するというから、クォン牧師の努力は無駄な願いとして終わるのではないか残念に思う。

参考までに、夫婦の日が5月21日に決まったのは、2人が出会って1人になったのだから、黒い髪が白くなるまで一緒に仲良く暮らしなさいという意味だったという。

☞ 夫婦生活における十戒

1. 二人同時には怒らない
2. 家に火事が起きた場合でなければ、大声を出さない
3. 欠点を見ても言わずに、ミスを指摘していてはいけない
4. 妻や夫を他の人と比較してはいけない
5. 配偶者のキズを掘り返してはいけない
6. 怒りを我慢して寝床に入ってはいけない
7. 最初にした愛の約束を忘れてはいけない
8. 決して夫婦関係を断念してはいけない
9. 自分の過誤や間違い、過去を隠してはいけない
10. お互いの過ちをかばってあげよう
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2015-05-25 09:00:00




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