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[世智園] Age Earthquake、老人支配の時代


  • [世智園] Age Earthquake、老人支配の時代
社会学者のポール・ウォーレス(Paul Wallace)が、年齢地震という破格的な用語を取り出したのは、1999年だった。彼は著書『人口ピラミッドがひっくり返るとき(Age Earthquake)』で、急速に進む高齢化による衝撃と社会的問題をこのような合成語で表現した。

ジェロントクラシー(gerontocracy、老人支配の政治)とシルバー・デモクラシー(silver democracy)という言葉も高齢化時代の進展とともに、政治社会学だけでなく、経済学の分野ではすでに慣れ親しむほどに広がっている。

ジェロントクラシーは、老人を意味するギリシャ語「ジェロン(geron)」から出てきた。最高意思決定者だけでなく、多数の有権者層まで老人で構成される社会だ。

50年間余り、鉄壁のように長期執権した日本の自民党が2006年の参議院選挙で民主党に惨敗した。敗因は2年後から70~74歳の医療費負担を10%から20%に引き上げるという政策発表のせいだった。選挙で負け、予定していた政策は白紙化した。ただし、2009年の衆議院でも勝って政権獲得に成功した民主党も、この政策を覆すことができなかった。高齢者の力に政界は屈服した。以来、登場した用語が「シルバー・デモクラシー」だった。多数の有権者を占める高齢者の利害関係が政策の優先順位を決める現象だ。

高齢化が経済に与える最も深刻な負担は、働く人口は減っているのに扶養を受ける人口が増える事態から発生する。シン・ジホ前議員の著書『頭を下げた大韓民国』で、生産年齢人口(15~64歳)が扶養人口(0~14歳・65歳以上)よりも急速に増加している時期の「人口ボーナス期」が、韓国では2012年にすでに終了したと分析する。2012年の生産可能人口の割合だった73.106%が頂点であり、扶養率36.79%は低点だった。

生産年齢人口の割合は低下しても、生産可能人口の絶対数が増える緩衝期を活用すれば、少しは踏ん張ることができる。日本は1991年の人口ボーナス期の終了後、5年をさらに経過した1996年から生産可能人口が減少した。韓国は2012年の人口ボーナス期の終了後、2016年から生産可能人口が減少すると予想される。4年の緩衝期があったが、すでに2年が過ぎてしまった。

残った2年間、すべきことはあまりにも多い。今日の国会本会議で処理する公務員年金改革案も、そのうちの一つだ。まだ、議論が終わっていない国民年金を含む公的年金の改革にも拍車をかけなければならない。高齢者介護のために、子ども世代の未来に暗雲が垂れ込むことだけは、必ず防がなければならない。
  • 毎日経済_ユン・ギョンホ論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-27 17:46:15




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