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[FOCUS] 日本が「韓国の婿」を歓迎した理由


  • [FOCUS] 日本が「韓国の婿」を歓迎した理由
「韓国の婿」が当の韓国では冷遇を受け、日本では手厚いもてなしを受けた。韓国の婿とは、ラリー・ホーガン(Larry Hogan)米国メリーランド州の知事を言う。彼の妻ユミ・ホーガン(Yumi Hogan)氏は韓国系で、ホーガン知事も自らを「韓国の婿」と呼ぶほど韓国との縁を強調する。家にキムチ冷蔵庫も置いている。米国内の代表的な知韓派であるホーガン知事が先月27日、経済使節団36人を率いて韓国を訪れた。13日間の韓・中・日などアジアビジネス歴訪のためだった。

ホーガン知事は「韓国の婿」らしく、韓国を1順位の訪問先に上げた。韓国系の妻も同行した。スケジュールの分配も全体13日間のうち、6日間韓国にとどまった。

ホーガン知事は、韓国に滞在しながら、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相、南景弼(ナム・ギョンピル)京畿知事、李洛淵(イ・ナギョン)全羅南道知事などに会ったが、肝心の朴槿惠(パク・クネ)大統領には会えなかった。韓国の婿が「舅姑(妻の両親)」の温かい歓迎を受けなかったわけだ。残念な妻の実家訪問を終えた韓国の婿(ホーガン知事)は、中国を経て4日には日本を訪れた。前面に出てホーガン知事を迎えたのは、日本の安倍晋三首相だった。この時は、ベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)フィリピン大統領が日本を国賓訪問した期間だった。特にこの日は、安倍首相とアキノ大統領間の首脳会談のスケジュールも決まっていた。

それでも安倍首相は、ホーガン知事を手厚く歓待した。アキノ大統領と首脳会談する時間が夕方6時と決まったのは、ホーガン州知事訪問も影響を与えたという話まで聞こえた。ホーガン知事に会った安倍首相は、「米国がリニアモーターカーを導入すれば、ゆったりとした金融支援をする準備ができている」とセールスを繰り広げた。また、安倍首相は、ホーガン知事が日本のリニアモーターカーを十分に体験できるように配慮した。ホーガン知事が試乗したリニアモーターカーの行き先は「メリーランド州ボルチモア」だった。搭乗前にプラットフォーム電光掲示板と搭乗列車に「ボルチモア行 - 定刻出発」という文字を、日本JR鉄道側で用意しておいたのだ。

搭乗列車にはJR鉄道の名誉会長が直接搭乗し、列車の技術的優位性をはじめ、安全性などを20分間力説した。鉄道輸出に喉が渇いている日本のセールス外交は細心かつ戦略的だった。日本の高速リニアモーターカー「リニア新幹線」は昨年末の試験走行の結果、最高速度時速600キロメートルを記録し、世界新記録を達成した。

ホーガン知事は試乗後、列車を降りながら指を立てた。彼は「これまで米国で経験していなかったスピードと安全体験だった。次世代交通手段という点に一点の疑いがない」と絶賛した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)、ワシントン・ポスト(WP)などの米国メディアは、「日本がリニアモーターカーを米国に輸出することについて確実な公開支持(Endorsement)を受けた」と報道した。

米国は今年1月、ワシントン~ボルチモア、LA~サンフランシスコなどの主要な区間に680億ドル(約80兆ウォン)に達する高速列車の導入を推進中だが、州政府は、資金難に苦しんでいる。安倍晋三首相は、昨年2月にもオバマ大統領に米国北東部に鉄道輸出と関連して、全体工事費の半分に相当する5兆ウォンの融資を国際協力銀行を通じてサポートするという破格的な提案を投じたことがある。特に安倍首相は、4月の訪米時に多忙なスケジュールを割いてサンフランシスコ・LAなどを訪問し、州知事等と会って高速鉄道ビジネスを広げている。鉄道輸出に最も渇望している韓国の国土交通部や韓国鉄道公社(KORAIL)さえホーガン知事に会ったという話は聞こえなかった。
  • 毎日経済_イ・ジヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-06-06 10:18:41




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