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[社説] マーズ「過剰な恐怖」に打ち勝つ韓国の底力見せよう


中東呼吸器症候群(MERS / マーズ)恐怖がショッピングセンター、劇場、映画館、スポーツ施設などを問わず広がっている。先週末、首都圏の遊園地の訪問者は普段より30~40%ほど減っており、公演や会議が相次いでキャンセルされ、レストランも閑散としているという。ソウルと京畿地域を中心に全国で休業中の学校も1800校に増えた。

このような不安は、韓国政府のずさんな初動対応が育てた。MERS患者は8日午前までに87人に増えたが、一日にして23人も追加された。MERS事態が始まって以来、一日の発生患者としては最も多い。いまや韓国は、サウジアラビアに次いで2位のMERS発症国という不名誉を抱くこととなった。10代の患者が初めて発生した全羅北道・淳昌郡に続いて、釜山でも患者が確認され、韓国全国にMERSが広がっている。

保健当局の感染症対応システムを全面的に見直さなければならないが、今のところは国民が政府の防疫対策に協力し、恐怖心が過度に拡散することを防がなければならない。

MERS患者のうち2人はすでに治療を終えて退院したという事実から分かるように、MERSは健康な人であればかかっても、簡単に治療できる病気だ。また、現在までに患者はすべて病院内で他の患者から感染しただけで、病院の外で感染した事例もない。漠然とした不安心理により、会議や経済活動をキャンセルして、街中が空っぽになるほどの恐怖心理を示せば、全世界が韓国をどう見るだろうか。韓国へ行く旅程のキャンセルや旅行禁止区域の指定を促すことにしかならない 。

MERS隔離対象者が2500人を超えたこのような状況では、市民の慎重な行動が絶対的に必要だ。8日、MERSの76番患者に確定された女性は、当初「MERS患者の発生病院に行ったのか」という医療スタッフの問診に「行ってない」と虚偽の答弁をした。これではいけない。

韓国政府は7日から、MERS患者が発生したり、経由した病院の名前を公開している。MERS患者が発生していた時期に、これらの病院に行ってきた後、症状が現れたなら、家で待機しつつ保健当局に申告しなければならない。何よりもMERS感染が病院の外に広がっていない限り、予定されたスケジュールや集まりのキャンセルなどで恐怖を増幅させる過剰対応も慎むべきことだ。人類歴史において最も悪い結果は、大衆の恐怖から始まった。
  • 毎日経済 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-06-09 00:03:02




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