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[世智園] 戦没者の身元確認と鎖骨


  • [世智園] 戦没者の身元確認と鎖骨
今日は韓国で「護国報勳の月」だという6月最後の日だ。今年の6月は、何もせずに送ったとしても、65年と5日前に勃発した韓国戦争(朝鮮戦争)で護国のために命を捧げた人たちを追悼する心は送り出してはいけない。

その心を守ることの一つは、戦死者の遺骨を探して家族のもとに返すことだろう。「あなたの肉体は土にかえり、私たちを忘れたとしても、私たちは決してあなたを忘れません」ということを示さなければいけない。

先月19日、太平洋戦争に参戦した米軍の遺体が埋められている米国ハワイの国立太平洋記念墓地を訪問した時だった。半旗が降ろされ、白い服を着た軍人がいくつかの遺体を回収する作業をしていた。「戦争捕虜と行方不明者の調査局(DPAA:Defense POW / MIA Accounting Agency)」に送り、身元を確認するためだという。最初は首をかしげた。「遺骨のDNAを採取して身元確認をすればいいだろうに、これまで何をしていたのだろうか」という疑問が沸いた。

疑問は、行方不明の米軍の遺骨を探して鑑識する任務を担当しているDPAAを訪問した後に解けた。参戦米軍の遺骨の多くは、DNAが破壊しており、身元確認が不可能だという。しかし、米軍は身元確認のための科学的な方法を探し続け、今、可能性が生まれ、体を回収しているというのだ。

韓国だったらどうだろうか。身元が確認できなければ、特に何もせず、国立墓地に安置して終えるだろう。あえて数十年前の遺体を墓地から掘り起こすことはしないだろう。

米軍が開発した遺体の確認方法のうち、印象的なのは「鎖骨」を活用するものだった。人によって指紋が違うように、鎖骨も各自異なるという。この事実を知ったDPAAは参戦軍人の胸部X線写真をあちこちから求めた。X線写真と戦場で発掘された遺骨の鎖骨を比較して、身元を確認するためだった。幸いなことに軍人の結核感染の有無を確認するために撮影したX線写真が残っていた。 X線写真は粉々になる程だったが、復元に成功して多くの遺骨の身元も確認できた。

朴槿惠(パク・クネ)大統領は24日、6・25戦争(朝鮮戦争)の参戦有功者慰労宴で「歴史の中に埋もれている最後の英雄まで見つける」と話した。国防部遺体発掘鑑識団の努力が続けなければならない。
  • 毎日経済 キム・インス論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-06-29 17:28:45




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