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[社説] 20歳になった韓国の地方自治、本来の機能を備えるにはまだ遠い


  • [社説] 20歳になった韓国の地方自治、本来の機能を備えるにはまだ遠い
今年は、地方自治が始まってから20年になる年だ。大韓民国の憲法は地方自治について明文化しているが、1950年代に行われた数回の地方選挙は政権と地方土豪らの政略に利用され、軍事政権以降には完全に中断された状態だった。

以後、盧泰愚(ノ・テウ)政府は、選挙公約に地方自治を掲げても履行せず、金泳三(キム・ヨンサム)政府に入ってようやく地方選挙を実施した。住民の手で団体長と地方議会の議員を選ぶ真の自治制の歴史は20年に過ぎないわけだ。

このように歴史が浅いせいで、韓国の地方行政は粗末な部分が1つや2つではない。地方自治なしで、経済開発と産業化が進んだせいで、首都圏集中の現象が深刻化した。 「人はソウルに送って、馬は済州に送って」という昔の格言を積極的に実践したせいで、完全に自ら生計を立てることのできる地方は数が少ない、奇形的な形になってしまった。

住民の手で直接選んだ広域自治団体長も実際に出来ることはほとんどない。検察、警察はもちろん、消防士も国家公務員だ。自律的な行政ではなく、中央政府から委託された事務のみ行えるのが、韓国の地方自治の現住所だ。地方自治が「草の根民主主義」の花であれば、少なくともこの分野で韓国に合格点を与えることはできない。

いくら有能な人材が自治団体長になったとしても、最善を尽くすことのできる分野は「住民サービス」程度だ。地方の特色に合ったプログラムも財政に支えられず、実際に推進することは難しい。今年の韓国の地方自治団体の平均財政自立度は45.1%に過ぎない。市郡区などの基礎自治団体の半分以上が自ら集めた税金で公務員の給料すら払えずにいる。

未完成の地方自治は政治的中央集権にも影響を受ける。政党の中央集権はさらにひどく、自治団体長や地方議会に立候補しようとする政治家は、中央党の顔色を伺わなくてはいけない。政治、財政、人事などがちゃんと機能しにくいのが韓国の地方自治の現状だ。

地方自治が正しく機能していない中で、地方政府と地方議会議員の逸脱行為まで延々と続き、地方自治無用論まで提起されている状況だ。

しかし、地方自治はあきらめることができる性質のものではない。地方議会を経た、しっかりとした政治家を養成することはもちろん、住民が自分の手で地方を変えることは、地方自治を介してのみ可能だからだ。

さらに、分断された韓半島(朝鮮半島)が統一を夢見るなら、地方自治を完全な姿にする作業を急いで実施しなければならない。半世紀以上、異なるシステムと理念で運営された北朝鮮を現在のような中央集権体制で吸収することは難しい。地方自治は、統一に備えた礎でもある。
  • O2CNI_Lim, Chul/写真=MBN
  • 入力 2015-07-05 09:00:00




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