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[SNSの世界] バイラルマーケティング、ネットの心を掴む


  • [SNSの世界] バイラルマーケティング、ネットの心を掴む
「おい、これ見てみろ。パク・ミョンスがG-DRAGONを物まねをしているのだが、本当に面白い」。知人が動画を送ってきた。リンクを開くとコメディアンのパク・ミョンスがBIGBANGのG-DRAGONをパロディにしたLGユープラスの広告だった。原本と雰囲気は似ているが、笑いを誘発する表情やわざとらしいアクション、一般人がやっても、もっと素敵に入れることができそうな字幕。どこかぎこちないコンピュータグラフィックス…。

最近のオンライン流行語で表現すると、いわゆる「ピョンマッ(脈絡がなく、作品性もなく、呆れてしまうようなもの)」のような広告だが、ついつい見たくなる。わざわざ「B級」広告のように撮影したような広告を見る間中、無意識のうちに笑いが出てきた。

いくら有名な俳優や広告モデルを起用して作成された広告でも、消費者の心を動かすことができなければ、それは失敗した広告だと言えるだろう。既存の広告は最も美しい点などを強調し、その商品をより良く見えるように包装する方法を選んだ。しかし、個人の好みやメディア媒体の多様化で、従来方式の広告は、少しずつ力を失っている。

こうした中、ネットユーザーが熱狂するだけのことはある、「ピョンマッ」「虚勢」などの要素を組み入れた広告は、インターネットユーザー自らが、その企業の広報大使になるようにしている。誰に言われたのでもなく、消費者たちが企業の広告を周辺の人に見せているのだ。オンラインに乗って一度伝播し始めると、ウイルスのように広がるとして、これを「バイラルマーケティング」と呼ぶ。

インターネットの動画サービスが発達し、素早く変化するネットユーザーのトレンドに合わせて上手く対応する企業が増えている。その先頭に立っているのがLGユープラスだ。去る2月にGoogle動画サイトYouTubeでLGユープラスはガールグループEXIDの『UP&DOWN』の新しいミュージックビデオを公開した。特別なプロモーションをしていなかったが、EXIDのファンの間で大きな話題を呼び、公開から2日で再生回数100万回を突破し、3日目にして1024万回以上再生された。企業ブランドのオンライン広告史上、単一コンテンツ1000万回という異例の成功を収めた。

ソーシャルネットワークサービス(SNS)をはじめとするオンラインでネットユーザーを夢中にさせることに成功したバイラルマーケティングは、いくつかの共通点を持っている。

ネットユーザーが好きな最新のテレビ番組をパロディしたり、トレンディな人物を起用する。その例として、化粧品ブランドイニスフリー(innisfree)は先日、放送界で再び注目を浴びているノウルのカン・ギュンソンと「義理!」で昨年人気を得たキム・ボソンをモデルとして活用した。ケーブルチャンネルコメディショーSNLのコーナーをパロディしたり、音楽オーディション番組のスーパースターKの勝者を起用した広告も注目された。

広告に意外性を取り入れて「反転」の楽しさを与えたり、少し完璧ではない「B級」や「ピョンマッ」を笑いのコードとして活用する。最近、料理番組で「ホシェフ(虚勢を張っているシェフ)」として縦横無尽に活躍しているチェ・ヒョンソクシェフをモデルに起用したキヤノンの広告がここに属する。チェシェフは、自分の真剣で「虚勢」を張ったような料理する姿に心酔し、これを自分で撮影していたところに、予期せず部下が登場し慌てる。ネットユーザーに圧倒的な支持を受けているチェシェフのイメージをうまく活用して、予期しない結果を手に入れた。

このような反転の楽しさを披露したキヤノンの広告は、インターネットユーザーが先頭に立って自分のSNSを介して周辺に広めている。この企業は、インターネットユーザーを「広報大使化」しながらも、企業のブランドイメージや製品についての情報も提供する二匹のウサギを捕まえることに成功したわけだ。

チャン・ジュニョンLGユープラスeマーケティングチーム長は、「LGユープラスは、顧客とコミュニケーションすることのできる共感を基盤に置いた『大勢と楽しみ』に重点を置いているが、単に面白いバイラルビデオを作っているのではない」とし「消費者にとって有益な多くのブランドの特典を様々なコンテンツで表現し、継続的にブランディングするのが目標」と伝えた。
  • 毎日経済 チョ・ヒヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-07-03 16:13:17




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