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[SNSの世界] スターとファンの架け橋になった1人放送


  • [SNSの世界] スターとファンの架け橋になった1人放送
「お会いできて嬉しいです。チョン・ヒョソンです。ここは私が住んでいる家です」

ガールグループSecretのメンバーであるチョン・ヒョソンがスマートフォンの画面越しに直接挨拶をする。 「どうしよう。とても可愛い」「きれい」。それぞれの自分のスマートフォンに表示されたチョン・ヒョソンの姿にファンはリアルタイムで歓迎のコメントを書きこむ。韓国語だけでなく、日本語、中国語、タイ語など多様な言語で歓迎の挨拶が上がってくる。

「わあ、こんなふうに反応がたくさんあるんですね」。多少戸惑いの表情だが、それでもファンの反応にチョン・ヒョソンは嬉しさを隠せない。

最近ネイバーが出した、様々なスターたちが、自分の日常をファンとリアルタイムで共有するグローバル動画ライブストリーミングアプリ「V」で繰り広げられる光景だ。「V」は、現在サービスが開始してから一週間しかたっていないが、韓国内のファンはもちろん、世界中のファンから爆発的な反応を得ている。去る4日に生中継された「BIGBANGカウントダウンライブ」は、計80万人がリアルタイムで動画を視聴した。1人放送時代が本格的に開幕し、スターとファンがリアルタイムで動画でよりつながる時代が開かれるようになったのだ。

スターとファンの間の「つながり」はどのように進化したのだろうか。「オッパ部隊」の元祖といえる歌手チョ・ヨンピル。当時、チョ・ヨンピルのファンは確かに熱狂的だったが、今のようにスターとの距離が短くはなかった。

歌手チョ・ヨンピルの公演で情熱的に応援して直接手で書いたファンレターを送ることが、ほとんど唯一のコミュニケーションの手段だった。

1990年代、H.O.Tなど第1世代のアイドルが登場し、スターを24時間追いかけるファンが登場する。そのようなファンは、自分の日常をすべてスターの動きに合わせる。家の前で一日中待つことなど当たりまえ。時々、過激なファンは家の中に侵入したりもした。

スターへの過度な愛。しかし、スターと会うことのできるつながりが不足したため、このようなファンが登場することになったのだ。オンラインのファンカフェでスターが文を一つ投稿すると、ファンはその文だけを何十回、何百回見る。その程度の一方的なコミュニケーションもファンには大事だった。

ソーシャルネットワークサービス(SNS)が導入されてから、スターは直接ファンと疎通するようになった。ツイッター、フェイスブックを通じて自分の意見を表出したり、ファンに直接感謝の気持ちを伝えたりする。テキストだけでなく、自分の日常を直接撮ってファンと共有する。これにファンたちがコメントをつけてスターとのコミュニケーションを続けていく。

今ではコミュニケーションの方法が「ライブビデオ」にまで進化したのだ。ファンはスターの人間的な姿に熱狂する。飾られ包装された姿よりも身近なスターの姿を望んだのだ。だからスターたちも動画で直接コミュニケーションをとる空間で気兼ねなくファンに近づいていく。

地理的な制約により韓国のスターたちを見る機会があまりない海外のファンたちは、この空間にさらに熱狂するしかない。

短くなるスターとファンのつながり。このように、直接コミュニケーション方式の進化は、芸能人としては「両刃の剣」だ。うまく活用すれば、自分自身をファンに直接広報できる良い武器になるかもしれない。コミュニケーション通路を開いておくと、たまに本人が意図していない様子が話題になって急に大衆の注目を受けることも生じる。

しかし、それだけ非難の対象となる場合も多い。知られたくない自分の私生活について誤ってSNSへ投稿したりもするし、敏感な政治問題について訳もなく意見を述べて、世論の袋叩きに合うこともある。

ファンとしてはSNSの進化により、スターと近づけることが本当に嬉しいことだろう。しかし、芸能人はますます疲れる時代になった。
  • 毎日経済 アン・ジョンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-08-07 16:24:30




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