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[コラム] 議員会館ロビーに積まれる贈り物はなくなるのか?

果物、イシモチ、韓牛などは贈り物禁止対象から除外しようと改正案を出した議員たち 

ここに一枚の写真がある。贈り物が天高く積まれている韓国の国会議員会館1階のロビーだ。

  • [コラム] 議員会館ロビーに積まれる贈り物はなくなるのか?
議員の事務室で働く職員は、カートを引いてエレベーターで行ったり来たりすることに余念がない。カートにアイスボックスを載せていくスタッフたちの姿が、あちこちで目立つ。

韓牛に果物、イシモチ(魚)、食料品と種類も多様だ。金色の風呂敷で丁寧に包まれた、見た目にも豪華なプレゼントが、あちこちちで目に入ってくる。議員室の職員は、宅配業者から派遣された従業員と送り状を確認するのに忙しい。

贈り物があまりにも多いため、たまに宅配業者の従業員が議員室のスタッフを助けて贈り物を探すのに汗を流すこともある。

遠い過去の話ではない。まさに今年のソルラル(旧正月)連休に繰り広げられた風景だ。ギフトだけを見ると、国会議員は誕生日を迎えてプレゼントをいっぱい受け取ったアイドル歌手も羨ましくないことだろう。このような贅沢を逃がしたくないからだろうか。

不正な請託と金品授受を禁止する別名「金英蘭法(キム・ヨンラン法)」を施行する前から、修正する必要があると議員が立ちあがった。セヌリ党キム・ジョンテ議員をはじめとする議員20人が農畜産物と各種の魚介類は金品授受の対象から除こうという改正案を発議した。署名した議員20人のなかには無所属議員と野党である新政治民主連合所属の議員もそれぞれ1人ずつ混ざっている。

これらの議員が改正案を出して提起した理由は簡単だ。キム・ヨンラン法がこのまま施行されると、農民と漁民が秋夕(チュソク)とソルラル(旧正月)に干し柿や果物、韓牛、イシモチを思い通りに売ることができないというのだ。

法の改正までしなくとも、施行令を制定する過程で農産・水産・畜産物を排除する例外条項を入れるべきだという意見も早くから出されていたが、法そのものを変えようという動きを、この法律を作った議員が起こしているのだ。

今回の法律改正案に署名した議員のうち、15人は当初、法案に賛成票を投じた議員たちだ。その当時は農漁民の売上高の減少を心配しなかったのに、心を変えたのだろうか。だからといって信じる有権者は一人もいない。

そのときは、その時で、今は今というのが改正案に署名した直接の理由だろう。キム・ヨンラン法に賛成票を投じるときは、世論があまりにうるさく仕方なく投票したが、今では世論も静かになったので、選挙を控えて農漁民たちの歓心を買おというのが率直な心情だろう。もちろん、反対に押されて改正案が通過するどころか、国会本会議に上程されない場合でも、あなたのために最善を尽くしたという名分を得ることができるという計算も根底にはあると思われる。

このような薄っぺらな本音は議員会館のロビーに積まれている贈り物に満足して笑顔になった顔と違わない。贈り物もタダで受けとり、票もタダで得ようとしているところが同じだということだ。果物の箱の中に現金の束を入れてロビー資金を運んでいたことも改めて思い出す。

果物の贈り物を値段の高下に関わらず、送ったり受け取ったりができるようにするなら、陶器メーカーが倒産の危機に陥ったときには贈り物リストに陶磁器も追加するだろうし、自動車会社が倒産直前であれば2000万ウォン以下の自動車も贈り物の対象に含ませる可能性もあるということだ。

すでに国民からの信頼が底に落ちた国会議員だとはいえども、何の所信もなく、度胸もなく、原則もなく行動して票を投じる国会議員に、改めて絶望する。
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2015-09-13 08:00:00




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