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[コラム] 海兵隊の涙


いつかハリウッド映画をみていたら、ある高齢者が、左の足を失った負傷兵に軍隊で怪我をしたのかと問うシーンが出てきた。退役した傷痍軍人がイラクに派兵された陸軍だと説明したところ、高齢者が投げかけた言葉が何だったか想像できるだろうか。

「弱虫だな、俺はmarineだ!」

海兵隊出身であることを誇りにしているのは、米軍も同じようだ。日本の自衛隊にも、米軍のMarineのような水陸機動団がある。

韓国の海兵隊は、マッチョ(macho)的な性格で有名だ。一度海兵隊に入ったら永遠の海兵だと言って、除隊後も期数による序列を守り、公共の場でも気合を入れるなど殺伐としている。駅の広場で先任兵にからまれて地面に頭をつけている海兵隊員からは、恥ずかしさよりは誇りに思っている感情を目つきから読み取ることができる。

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  • < 繁華街で突然体育大会を開いた海兵隊員 >

韓国の海兵隊員は異様なほどプライドが強く、陸軍将校には敬礼もしないそうだ。2005年には海兵隊員がタバコをくわえたまま陸軍少佐を「おじさん」と呼んだせいで、懲罰房に閉じ込められたりもした。

このような自尊心は除隊後も続くのだが、除隊をしてからも胸に、実際には受け取っていない訓練の記章や装飾をつけて外出をする虚勢を張ることで有名だ。海兵隊の転役者は家に帰る途中に交通費​​を物乞いする妙な風習があり、陸軍などの軍出身者はこれについて「服に偽のバッジをつけるために部隊から帰宅するときに使えと渡されたお金を全部つかったのだろう」と呟く。

まぁ、こんな海兵隊員の話を一つ紹介する。インターネットにalphacaというネットユーザーがあげた「海兵隊の涙」という文だ。筆者が少し脚色したが、理解してほしい。

いとこ(叔母の息子)が海兵隊に行ったのだが、その人間が秋夕(チュソク)の半月前に除隊をした。
そして秋夕(チュソク)を迎えて祖母の家に親戚が集まったのだが、家の中で大人たちが花札遊びをしている間に、一歩遅れて登場した。
転役してから半月以上たった人間が、まだ髪をスポーツ刈りにして、前髪だけを少し伸ばした典型的な海兵隊ヘアスタイルで、海兵隊転役服を着て登場して大人に敬礼を行った。
親戚の大人の一人が「お前、まだ除隊してないのか」と尋ねると、
ためらって、しぶしぶ 「しました」と言った。
大人たちは、その人間が何を言ったのかなど気にもせず、花札遊びに興じた。
転役服に縫われた記章や、赤い名札にめまぐるしく描かれている海兵魂、幽霊、上陸、奇襲部隊などの文句がかわいそうになった。
本人としては
「よ、男らしいじゃないか、かっこいいな。おまは本当に海兵隊員らしいな、転役おめでとう」
まあ、こんな言葉を期待したようだった。あるいは、転役祝いとして親戚の大人たちがお小遣いでもくれると期待したのかもしれないが、とにかくハズレだった。
大叔父、叔父、うちの父親、大叔母、叔母、うちの母親、祖母​​、従妹のうち、誰も海兵隊の「海」の字すら口に出さない。
一人で寝室や居間を行ったり来たりしながら、ズボンのすそに入れられたリングから出てくる音が哀れに聞こえた。
泣きたいだろうに、幽霊もつかまえるという海兵隊員が涙を見せることもできず、どれほど孤独で寂しかっただろうか。

家に帰ってきて、父親が口を開いた。
「海兵隊に行ってきた奴らはなぜあんな服を着てくるのか、バカな奴らだ」

こうだから海兵隊の転役者同士は団結して海兵戦友会を作るのだろう。海兵戦友会が何をするところかというと。それはまた別の長い話。今度Q&Aで語らせてもらう。

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  • < 住宅街を少し離れると、コンテナボックスを改造して作った海兵隊員戦友会の事務所をよく見かける >

  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2015-10-04 00:00:00




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