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鎮海(チネ)、STX造船海洋の経営悪化により空き家が増える

STXの業績不良だけで3千人職失う…空っぽの建物に日雇い募集のビラだけが 

  • 鎮海(チネ)、STX造船海洋の経営悪化により空き家が増える
  • < ガラガラの巨済市コヒョン洞所在のある8階建てビル。
    2階から8階まで、すべて空室の状態だ >

「年34.9%、月2.9%、日0.09%、秘密保障」

最近おとずれた慶南地方の昌原市鎮海区ソク洞のワンルーム街一帯には、日収(イルス/日雇い)募集紙がところどころ散らばっていた。近くの公認仲介事務所(不動産屋)のウインドーは「新築ワンルーム急売」案内で埋め尽くされたごとくだが、基礎工事だけ終えたままで工事が中断されたワンルームも次々と見えた。鎮海(チネ)の代表的な企業であるSTX造船海洋の不良の余波で、会社の従業員と協力会社の従業員が鎮海を離れたことから現れた現象だ。 2013年に3488人だったSTX造船海洋の正社員は、最近は2600人ほどに減少した。今後も3分の1ほど追加の構造調整が予定されている。協力社も2011年初の87ヶ所6700人から、最近は85ヶ所5100人に減った。企業が食べさせた従業員3000人以上が切られた。

従業員が離れて空き家が増えていった。かつて造船業の好況で押し寄せた協力社の人夫たちをねらって、雨後の筍のようにできたソク洞のワンルームは主人を失った。生活が苦しくなった人々は、日雇いに目を向けた。 「町内イモ日収」という名前の募集紙は右上に複製した「公正取引委員会」のマークを刻んだまま、財布の薄くなった住民を誘惑していた。

近所の住民のユン某氏(41)は、「2年前までは20万ウォン以上の日当を得る協力社の人夫たちが酒場で「わが技術で、海に、世界へ」で乾杯を叫ぶ姿をよく見ることができたが、今では姿を消した」と虚脱していた。ユン某氏は「ワンルームに空室が増えて、ワンルーム投資家らも個人回生のために裁判所を訪れるのが実情」だと伝えた。

鎮海造船所の10年目の正社員は、「給与が4年目のレベルに減ったが、今後はもっと心配」だとし、「切られる協力会社の従業員がまともな仕事を得られず、社会不安勢力にならないかという懸念も出ている」とした。

鎮海だけでなく統営(トンヨン)や梁山(ヤンサン)など、慶南地方のいたるところに散らばっているSTX造船海洋の協力企業の廃業申告が相次ぐなど、造船不況はいわゆる「プウルギョン(プサン・ウルサン・キョンナム)」に象徴される海岸ベルト全般に広がっている。廃業は200人前後の従業員に退職金を支給する余力があるの社長の話だ。資金事情が良くない協力社の社長は賃金を適時に支給できず、昌原雇用労働支庁に呼び出されて通うのが常だ。昌原中央地方裁判所によると、鎮海と巨済(コジェ)を含む慶南地域の個人回生申請は2013年の5170件から昨年は5562件に増加した。

  • 鎮海(チネ)、STX造船海洋の経営悪化により空き家が増える
  • < 大宇造船海洋が業績悪化と債務の増加に二重苦を経験している。
    写真は10ヶ月ほど引き渡しが遅れ、大宇造船の不良原因となっている半潜水式掘削プロジェクト。 >

鎮海がSTX不良で呻吟するように、大宇造船海洋の3兆ウォン台の不良に触発された造船危機の余波で、「造船の心臓」巨済島も打撃をこうむった。大宇造船海洋とサムスン重工業の位置した慶南・巨済の玉浦(オクポ)、コヒョン一帯は造船発の不況で不動産市場がかちかちに凍りついた。大宇造船海洋の近隣の代表的な住宅団地である巨済市チャンピョン洞の、1100世帯あまりのアパート102.11平方メートル(31坪)の売買価格は、昨年末の2億9000万ウォン台から最近は2億5000万ウォン台まで落ちた。

チャンピョン洞所在のA公認仲介士事務所の従業員は、「30坪台のアパートを家賃170万ウォンで外国人船主が派遣した監督労働者にレンタルし、かなり旨みを味わった家主らが家を売りに出している」と語った。海洋プラントを発注した外国人船主が派遣監督を切ったことから、かつては雨後の筍にように生まれたワンルームも空室が増えていると、この従業員は伝えた。

企業不良は銀行に移った。サムスン重工業の近くのコヒョンに位置するB銀行巨済支店は2013年、全国の支店営業実績の1位から中間順位に実績ががたっと落ちた。コヒョン洞所在のある銀行支店の企業与信担当チーム長は、「造船資金難が協力会社にまでおよんで、銀行の健全性管理のために造船協力社融資を中止し、個人賃貸事業者を攻略しているが不動産の供給過剰でこれも収益が出ていない」とした。

25万人の巨済人口のうち9万人の雇用に責任を負ってきた大宇造船海洋とサムスン重工業の不良は、一帯のサービス業だけでなく不動産景気にも冷水を浴びせ、地元銀行の支店長は不良債権の回収問題で夜も眠れずにいる。

  • 鎮海(チネ)、STX造船海洋の経営悪化により空き家が増える
  • < 急増する慶南地域の個人回生申請者数 >

大宇造船海洋の部長級社員は、「船主らが低油価にともなう採算性危機と海運景気の不況で、監督労働者200人のうち50人を切ったりした」とし、「事情の良いところは給料をこれまでの3分の1まで減らした」と語った。

慶南の巨済市玉浦1洞に位置する1階建ての建物165平方メートル(約50坪)の規模のサムギョプサル屋。 2002年にオープンしたここは昨年初めまで、押し寄せる大宇造船海洋と協力会社の団体客で80席の座席が埋まるのが常だったが、今では10人未満の客で一日をすごす日が多い。韓国人の造船社・協力社の役職員と食堂を訪ねたドイツやオランダ人の監督官らがたどたどしい韓国語で「世界一等、造船海洋のために」と乾杯のことばを叫んだ風景は消えて久しい。

この食堂のオーナーは、「この春のマーズ(中東呼吸器症候群)で夏場の商売が台無しになり、秋になればちょっとは良くなるかと思ったが、大宇造船海洋の不良事態が起きた」とし、「3年前までは6人の従業員では足りなくて、アルバイトに親戚まで動員して客を迎えたが、今では4人の従業員でようやく運営している」と語った。
  • 毎日経済_特別取材チーム=ノ・ヨンウ次長/パク・チュンヒョン記者/チョン・ボムジュ記者/チョン・ソグ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-10-02 15:43:54




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