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規制で足首をつかまれた韓国免税産業 …5年ごとに変わる事業主体


  • 規制で足首をつかまれた韓国免税産業 …5年ごとに変わる事業主体
  • < 韓国全国の市内免税店の店舗数 >

今年、免税店特許満了を控えた企業に、ある一流品メーカーのグローバル代表が訪ねてきた。グローバルメーカーの代表が年に1~2回韓国を訪れることはふつうだが、今年はその目的が異なっていた。スイスから飛んできたこの企業の代表と実務陣は、「もしも当店の特許が満了して、再承認されなければどうするのか」という質問を単刀直入に投げかけた。彼らは「もしそうなれば、私たちが支払った店の工事費用をすべて返してもらう」という通報も行った。免税店の立場ではなんともやるかたないが、首を縦に振るしかなかった。

ソウル市内免税店事業を含め、免税店事業は中国旅行者などが訪れて売上げを引きあげて「黄金の卵を産むガチョウ」と認識されているが、免税店事業者は不安きわまりない。ある免税店の関係者は、「年末の特許満了を控えて、事実上はブランドに各免税店が引きずられている状況」だとし、「年内入店を確定したブランドはすぐにでも工事を開始しなければならないにもかかわらず、特許延長になってから渡すといって工事図面をくれず、実務上にも問題点が多い」と打ち明けた。

これだけではない。ある免税店会社の職員は、「来月の特許満了が延長ができなければ、ここで働いている私たちのような従業員はどうなるか心配だ」とした。実際、関連業界の従事者は場所がなくなるかもしれないという不安感で、まさに「生死の分かれ目」を過ごしている。

去る7月、15年ぶりに免税店の新規事業所の選定で流通・産業界が揺れたことに続き、来月初めはソウルと釜山免税事業者の特許更新をめぐって再び業界が沸き立っている。ブランド誘致はもちろん、雇用問題や新規投資全般で難航しているからだ。問題は、このような緊急事態を5年ごとに繰り返さなければならないところにその深刻さがある。

免税業界が5年ごとに、このような特許更新で疲弊しなければならない理由は、2013年1月1日に国会の敷居をまたいだ関税法改正案によるところが大きい。直前まで特許期間は10年だった。また事業者の選定は、市内免税店の場合は関税庁内の特許審査の承認、出発エリア免税店の場合は賃貸料を基準にした競争入札だった。

しかし2012年11月2日、ホン・ジョンハク新政治民主連合議員など14人が「大企業が免税店で稼いだ売上高に比べて支払う特許手数料が法外に低い」とし、新しい関税法を発議したことで状況が急変し、政界によってあわただしく5年ごとに事業権を競争入札する方式に変わった。当時の趣旨は、独占を防ぎ観光産業のインフラを育てるという趣旨だったが、関連業界では「5年ごとに事業主体が変わるのに、どのように長期的に観光産業の発展を考慮して事業を推進するのか」という不機嫌な声がわきあがっている。

免税事業の競争力弱化に対する懸念の声も大きい。イ・スグァン京畿大ホテル経営教授は、「観光産業の競争力強化の観点から、企業が長期間投資できる条件を用意して、それに伴う果実があれば後日これを返す方向の政策を研究する必要がある」と指摘した。
  • 毎日経済_イ・サンドク記者/チャン・ヨンソク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-10-15 06:19:54




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