トップ > コラム > FOCUS > [I ♥ 建築] 縁側の階段

[I ♥ 建築] 縁側の階段


  • [I ♥ 建築] 縁側の階段
近代的な都市は索漠としている。その理由には、いくつかがある。そのうちの一つは、都市の建物に「中間層」がないことだ。他の言葉では「間のスペース」がないと言うこともできる。間のスペース、あるいは中間層とは、韓屋の軒下の縁側のような空間のことだ。縁側は部屋の中にいる人が靴を履かずに外部空間に出てくることができるところだ。雨の日、私たちは、軒下の縁側で雨を避けながら、外部空間を楽しむことができる。

韓国の場合、家の内部空間と外部空間は靴を履くかはかないかで分けることができる。靴を脱げば室内、靴を履くと外部だ。ところが、縁側は靴を脱いでいるが、同時に外気に接する空間だ。内部と外部の両方の性格をも持っていると言うこともできる。庭の周りにある中間層であるテッマル(縁側)とテッチョンマル(大きな板の間)のおかげで、庭に立っていても暖かい感じを受けることになる。

近代的な都市では、この中間層の役割はバルコニーが引き受ける。バルコニーに散らばった洗濯物やその上で休む人々の風景が都市の顔を温めてくれる。しかし、韓国の場合には、「バルコニー拡張法」により、バルコニーが絶滅した。もはや建物の表情がない。マスクをした人のような顔の窓ガラスだけだ。

これを解決する簡単な方法を紹介する。最大限のスペースを確保するためにバルコニーの室内化が避けられないのなら、低層の近隣生活建物の場合、階段だけでも壁をなくしてオープンにさせることを提案してみる。ビルが箱のように息苦しい理由は、正門に入ると、建物のどの部分も通りとの疎通がないからだ。しかし、もし階段をオープンさせれば、階段の上で人が座って息抜きして休むこともでき、踊り場はバルコニーやテラスになることができる。そして、階段の上の人々の姿のおかげで、ようやく建物は通りとコミュニケーションすることになる。このように外気に開かれた階段は、「垂直の路地」になるだろう。

階段をオープンにすると、2つの階以上を使用する人は、寒い日に階を移動するときに縁側を渡るほどの不便があるだろう。その程度の不便を除けばオープン型の階段は都市の風景を良くすることができる簡単な方法だ。建築主の方は、一度検討してみたら良いだろう。新築時にオープン型階段は工事費も削減できる。
  • 毎日経済 ユ・ヒョンジュン弘益大建築学部教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-10-15 17:13:32




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア