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[週末ユーモア] 警備員に驚いた刑事


最近映画界で株価が高騰している俳優、パク・ソンウンが刑事役を演じた『オフィス』という映画がある。

家族をハンマーで殺害するという、犯罪スリラーだ。

「二度とこの映画を見たくない」という観客もいるほど、時には不気味な気分にさせる映画だ。ところが、この映画で、観客がにっこり笑う部分が出てくる。

全員が帰宅したオフィスを見回っていた刑事は、人の気配に驚いて銃を抜く。そうして帰宅せずに働く女性社員を見て、話しかけようとした時に、後ろから音もなく登場した警備員にすごく驚く。

本当に驚いたのか、かなり低い声で呟く。 「びっくりしたな、この野郎」

これの何がおかしいのかというと、刺しても血が一滴も出てこなさそうな冷静な刑事が、警備員に対して驚いたので、それがおかしいのだ。おそらく驚く場面がパク・ソンウンという俳優のキャラクターとは全く似合わないと思った面もあるのではないか。

  • [週末ユーモア] 警備員に驚いた刑事
  • < 突然後ろから近づいてきた警備員に驚いた刑事(映画『オフィス』のキャプチャ)>

しかも、今の世の中で警備員を見て驚くだなんて。

警備員は、社会で一番立場の低い人だ。しばらく前に、マンションの近くのチキン店主が警備をするのが大変だろうと届けてくれたフライドチキンを食べていた警備員が、災難を被った。

酒に酔った40代の男性が警備室のドアを開けてチキンを食べている警備員を見つけ「おい、この野郎、給料も少ないくせに、勤務時間にチキンなんか食べているのか、勤務をしっかりとしろ」と暴言を吐いた。

警備員にとっては入居者がオーナーなのだから、返事をせずにそのままいたら、警備室に入ってきてテーブルの上にあったチキンを蹴り払い、床に落ちたチキンを踏みつぶした。ここで終わらず、警備員の胸ぐらをつかんで、「お前たちの首を全部切ってやる」と揺らしたため、警備員の服が破れたいう。

このような警備員に対して、銃を持った刑事が驚くなんて、本当に驚くべきことではないだろうか。

おそらく、それで笑ったのだろう。笑いながら地下駐車場で隣の住民を見て、「びっくりした!」と胸を撫で下ろした事を思い出したのかもしれない。

笑えるだろうか。面白いならブラックコメディだ。

最近、就職できずに自宅でゴロゴロとしている無職たちが「最近なにしてるの」という質問になんと答えるのか知っているだろうか。自宅で何もせずにいるという言葉は言うことができず、かといっ嘘をついたりもできない。そこで選んだ職業が

「自宅警備」だ。

自宅警備も警備だから、警備業に従事していると言えるだろう。言えるだろうか。
  • O2CNI Lim, Chul
  • 入力 2015-10-25 08:00:00




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