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[世智園] 木箱地雷により負傷した2人の下士と3人の女性


  • [世智園] 木箱地雷により負傷した2人の下士と3人の女性
去る8月4日、北朝鮮の非武装地帯(DMZ)の地雷挑発により右足首下を切断したキム・ジョンウォン下士(23)は最近、リハビリ治療に余念がない。両足をすべて失ったハ・ジェホン下士(21)は、負傷がより深刻で、ようやく義足をはめた。キム下士は、2年前に父親が心臓発作で突然亡くなった後、事実上、家長の役割をしてきた。専門学校を出て、コンピュータグラフィックデザイナーを夢見たが、家系が苦しくなり、職業軍人になった。月100万ウォンほどを稼いでいた母親はキム下士が事故に遭ってから、まったく仕事をできずにいる。落胆した姿を見せないように息子の前で毅然としている母親を見て、キム下士は、もっとたくましくならなければと心に誓ったという。キム下士は見舞いに来た人がかえって元気をもらっていくほど陽気で活発だ。

そんな2人の下士に最近、新しい希望が生まれた。一時的な関心ではなく、永続的・恒久的に負傷した軍人を助けると乗り出した女性がいるからだ。最初の女性は、米国の陸上選手兼モデル・俳優として活躍中のエイミー・ムラン(Aimee Mullins、39・米国)だ。生まれた時から膝の下のすねの骨がなかったが、義足をつけてパラリンピックの金メダルも取り、ファッションショーにも立つムランは自分のフェイスブックに2人の下士のストーリーを投稿して全世界的な関心を呼び起こしている。2人の下士に最先端の特殊義足製作チームを紹介すると約束もした。

義足は高価な装備であるため負傷兵士たちでさえ、義足代わり車椅子に依存するケースが多い。法律上、義足支援金は230万ウォン余り。特に股関節で切断された場合、細心のカスタマイズ製作が必要だが、このように、義足が最も切実な障害1級2号障害者の義足着用率は40%にとどまっている。義足が最も発達した米国でも、少なくとも1万ドルから10万ドル以上の費用がかかる。

2番目の女性は趙允旋(チョ・ユンソン)元青瓦台政務首席で、最近「真の軍人を愛する親の会」を作った。2人の下士をはじめとする負傷兵士たちへの継続的な支援策を見つけるためだ。チョ元主席の勧誘で病院を訪れた盧素英(ノ・ソヨウン)アートセンターナビ館長(崔泰源SKグループ会長夫人)は、コンピュータグラフィックスをもとに、より機能的でデザイン的に改善された義足を供給したいというキム下士の話を聞いて、ベンチャー創業することを勧めた。ノ館長は「2人の下士だけでなく、報勲病院で多くの負傷兵士たちが義手・義足の値段が高いゆえに、手足なく過ごしているのを見るのが、あまりにも辛かった」とし「負傷軍人の義手・義足支援のための創業を最優先にする」と述べた。最近、社会的企業としての投資を強化しているSKグループの支援も約束した。

ソウル大学病院のパン・ヨンジュ教授も乗り出した。パン教授は「高機能性の義足は医工学・リハビリテーション医学・機械工学・ロボット技術が総動員されなければならない」とし「2人の下士が創業するなら、ソウル大学医学部の教授たちも積極的に助けたい」と強調した。

青天の霹靂のような事故にも夢と希望を失わない若い軍人、キム下士とハ下士。そして炎の花のように燃え上がって、すぐに冷めてしまう声援ではなく、創業を介して継続回復を模索しようとする3人の女性。大韓民国はまだ暮らすに値するところのようだ。
  • 毎日経済 チェ・ギョンオク論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-10-28 17:37:44




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