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[コラム] 勤労契約書を作成してください


修学能力試験(韓国のセンター試験)が終わった町には「勤労契約書を作成してください」というプラカードが風にはためく。

もうすぐ高校を卒業することになる予備社会人が仕事を探そうとする時期であるだけに、一歩踏み出すまえに、チェックを怠るなという意味のようだ。

アルバイト関連のポータルサイトでは、大々的なキャンペーンも開始され、アルバイトをするときの10個の注意事項などの情報も影響している。アルバイトのポータルサイトであるアルバ天国が繰り広げるキャンペーンの名前は「Do Write、Do right」だ。

仕事をした代価をしっかりと受け取りたいなら、まずは勤労契約書を入念にチェックしなくてはいけないという意味が込められいてる。先進国の隊列に合流しようとしている韓国だが、まだ雇用に関しては、雇用主や労働者が、知らなくても知ろうとせず、適当に済ませてしまう場合もかなりあるようだ。

アルバ天国がキャンペーンを繰り広げる前、アルバイトをしている1187人を対象に調査した結果、労働契約書を作成した割合は47.4%と、半分に満たなかった。もちろん、契約書を書いたからと、雇用を保障されるわけではない。

雇用が有り余っているなら、法が強制しなくても事業者は働く人を迎え入れることに真心を尽くすだろう。使用者が勤労契約書を書かないなどの横暴を働く理由は、就職口が非常に不足しているからだ。

働き手があふれているから、出勤直前でもクビにすることができる。ゲームメーカーと3カ月の短期契約を結んだある大学生は、オフィスに行こうとエレベーターを待っている間に解雇の電話を受け取ったという。出勤時間10分前にクビになったのだ。

2年以上勤務した非正規職社員は正社員として採用する必要があるという規定を避けるために、3カ月、1カ月、6カ月単位で雇用契約を結ぶ会社もある。3カ月働いて数日休んで、また半年程度働いて数日休んで、このような方式だ。

このような不当労働行為は計り知れず多く見ることができる。ロッテホテルは、ダイニングキッチンで働く青年に毎日超短時間勤労契約書を書かせていたそうだ。いわば、労働契約書が出勤簿だったわけだ。中央労働委員会は84日間を働いて、84枚の勤労契約書を書いて解雇された青年に、不当解雇を認めたが、裁判所では負けてしまった。

「書いた」からと権利が保障されるわけではないという意味だ。雇用の現場には、勤労契約書を書かなくても、仕事をしたい人があふれている。不当なことだとはわかりながらも出勤簿の代わりに労働契約書にサインをしなければならないのが現実だ。

雇用が増えないなら、法がいくら強制をしても、労働現場での雇用主のカプジル(立場を利用して相手を困らせること)を防ぐことは困難だ。
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2015-11-22 08:00:00




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