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韓・中FTA、業界にどのような影響が…製造業編

「韓・中FTA」化学・電気電子に恩恵…開城工業団地の製品310品目、国産認定 

  • 韓・中FTA、業界にどのような影響が…製造業編
△写真=先月30日、ソウル市中区明洞の化粧品店で中国人観光客が買い物をしている。韓・中FTA批准がこの日に国会を通過したことにより、両国間の貿易拡大が期待される。 [イ・スンファン記者]

- 韓・中FTA批准にともなう主要業種別受給分野と項目は。

▶ 韓国が中国市場を集中攻略する品目のうち石油化学、鉄鋼、機械、ファッション機能性衣料、家電などの最終消費財と部品分野に対し、中国は関税を撤廃することにした。最近、急成長を遂げている中国国内市場に進出できる機会が拡大すると予想される。特に自国産に対する中国人の不信が高い農産物や加工食品の分野でも有望だ。中国は最高級のレストランほど外国産の農畜産物を好むだけに、高級化戦略を手堅く実行すると十分に中国市場で通じるという予想が多い。

- 自動車が超敏感品目として残った理由は。

▶ 政府は自動車と関連し、韓国の自動車メーカーが既に中国現地に成功裏に定着しており、中国現地で生産した外国ブランド車の国内輸入が急増する可能性を勘案した。産業通商資源部によると、昨年中国で生産された韓国の自動車は195万台で、国外生産全体のうちで40%を占めた。また、中国の重慶・河北省などに韓国メーカーが自動車工場を相次いで建設したことから、今後は中国への投資がさらに拡大すると予想される。政府は交渉の過程で、中国に継続して自動車市場の開放を要求したが中国が反対し、自動車は両国ともに超敏感品目として残ることになったと説明した。

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- 対中輸出第1位品目であるLCDパネルの市場開放はどうなるのか。

▶ LCDパネルは韓国と中国の双方で、FTA発効後10年目に達すれば現行の関税(韓国8%、中国5%)を撤廃する。韓・中FTAを発効した後、8年間は現行の関税を維持し、9年目から関税を削減し始める非線形撤廃方式を採用した。これは中国が自国産業の競争力が低下していることを懸念して、早期開放はできないという主張を固守したことに始まったものだ。これまでLCDパネルはセルまたはモジュールの形態で国内生産し、中国現地で2次加工する形で最終製品を生産したが、2013年に韓国メーカーが中国にセル生産工場を作りつつ産業構造が変わった。

- 中小企業に打撃はないか。

▶ 韓・中FTAは生産品目、品目別競争力、販売形態など、数多くの要因にしたがって個々の中小企業に異なる影響を与えるので、一律に言うことは難しい。ただし輸出を主とする中小企業は、関税引き下げと非関税障壁の改善で機会を得る可能性が高いが、内需中心の中小企業は、中国製の中・低価格製品の流入が脅威要因になることがある。ただし中国内需市場が拡大しており、最終消費財に高い関税を維持している点を考慮すると、差別化されたブランド・技術力・流通網などを確保する中小企業もさらに大きなチャンスを得ることが期待される。

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△写真=韓・中FTAの国会批准案通過によって、韓半島の域外加工地域にも原産地としての地位認定を受けることができる道が開き、開城工業団地の輸出に青信号が点灯すると思われる。開城工業団地のSKアパレルで北朝鮮労働者が製品を生産している。 [毎経DB]

- 開城工業団地の生産製品はどうなるのか。

▶ 韓国と中国は開城工業団地について域外加工を認め、FTA協定発効と同時に開城工業団地で生産される品目に特恵関税優遇を与えることに合意した。対象品目は総310品目に達し、これまでに締結したFTAの中で最も多くの品目を確保した。韓国産原産地として認められるためには、開城工業団地に投入した価値が輸出価格の40%よりも低くなければならず、韓国が投入した価値が全体価値の60%を越えなければならないという要件を同時に満たす必要がある。また、韓・中両国は韓半島の域外加工地域委員会の設置に合意して、今後北朝鮮内の域外加工地域の追加指定問題なども議論することにした。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-11-30 17:57:35




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