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[世智園] 電気自動車の体験記


  • [世智園] 電気自動車の体験記
済州での電気自動車の搭乗は、怠惰のおかげだった。去る10月の連休時、漢拏山(ハルラ)の登山を計画したが、レンタカーの予約を延ばし続けた結果、押されて選択したものが電気自動車だった。

ゴルフカートのようなものだと思ったが、違った。いくら軽自動車とはいえ、車のキーを渡されたとき、ダッシュボードに表示された残りの走行距離85キロメートルを見て、驚かずにはいられなかった。フル充電しても80~90%だけ満たされる方式だからだ。

狼狽は漢拏山の霊室休憩所へ行く道で起こった。突然落ちた気温に夜を過ごした後、急な傾斜の山道を走っていた電気自動車は、急速に放電し、目標地点の目の前で止まってしまった。1時間で来たレッカーに運ばれて行った霊室入口に、幸いにも充電所があった。済州島全域に充電所はわずか25個で、電気自動車が拡散されるには、不便を感じるしかないと思った。

フランス・パリの気候変動枠組条約の締約国会議に行った朴槿恵(パク・クネ)大統領が、2030年には済州島のすべての車を、純粋な電気自動車(BEV)で普及して「カーボン・フリー・アイランド(Carbon Free Island)」に切り替えすると公言した。電気自動車の1回充電走行距離を、現在の2.5倍に増やすという目標も語った。2030年、全国に100万台の電気自動車を普及させるという計画だ。

生活の中に入り込んできた純粋電気自動車は、フランスの億万長者ヴァンサン・ボロレ(Vincent Bollore)が、パリ市内に普及した車両共有サービスのオートリブ(Autoliv)を挙げることができる。2011年12月からサービスを開始し、現在3240台余りが運営されている。登録制であり、8万人まで会員を増やした。年会費は120ユーロで、30分当たり5.5ユーロを支払えばよい。一日平均1万3000回のレンタルが行われる。パリでは、オートリブ駐車スペースの隣に建てられた900個の充電施設を容易に見ることができる。ボロレは、バッテリーメーカーであるブルー・ソリューションを介して、この事業を開始した。初期の投資費用だけ34億ドルに達した。5年目に入るオートリブは、米国インディアナポリスとイギリスのロンドンに拡散され、ロサンゼルスとシンガポールでもサービスを開始することにした。

自律走行システムとバッテリー技術の発展が結合されると、電気自動車の拡散速度は今よりもっと速くなることができる。米国メーカーのテスラモーターズ(Tesla)だけでなく、GoogleとAppleまで自律走行機能を備えた電気自動車の開発競争を繰り広げている。スティーブ・ジョブズが生前に構想したというアイカー(iCar)を、彼の死後に見ることができるかの期待でいっぱいだ。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-12-02 17:38:02




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