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[SNSの世界] 顧客が代わりに広報する…「自発的ファンダム」現象


  • [SNSの世界] 顧客が代わりに広報する…「自発的ファンダム」現象
「息子です。電話をください」「部隊です。お電話ください」

釜山に住むAさんはある日突然、自分のスマートフォンにこのようなテキストメッセージが何通も来ているのを見て驚いた。軍隊の番号ではなく、「010」から始まる実際の携帯電話の番号から送られてきたテキストメッセージだった。もしかしたらボイスフィッシングで​​はないかという疑惑も抱いたが、半分だまされたと思って電話をかけてみた。確認してみたら軍部隊の受信用携帯電話だった。軍隊に行った息子が軍隊に設置された受信電話で自分にメッセージを送ったのだった。 Aさんは、後にLGユープラスが軍にほとんど無料で公共携帯電話を提供して、このような携帯電話サービスが可能になったということを知った。国防部は昨年9月、兵舎環境改善事業の一環として、兵士の受信用公共携帯電話賃借事業の入札を行ったが、当時のLGユープラスが「1ウォン」を書いて事業者に選定された。 Aさんは周囲の人々に「LGユープラスが良い仕事をしている」と、自分のソーシャルネットワークサービス(SNS)などを介して広く知らせ始めた。

最近、Aさんのように、特定の会社の製品やサービスに感動したあまり、自ら企業を広報する「自発的ファン層」現象が起きている。国内ではLGが、その幸運の主人公である場合が多い。競合他社は、大々的な費用をかけてマーケティングをしているのに対し、LGはあまりにも「適度な」マーケティングをしているという声も聞かれる。

代表的なものがLG電子の超軽量ノートパソコン「グラム」だ。ネットユーザーの誰かが実際に重量を計ってみたところ、980グラムと謳われているノートパソコンの重量が10グラム以上、さらに軽いという事実を知ることになった。当時、LG電子は塗装の過程で重さに10グラム程度の差が出るため、最低重量で広告していないと説明した。この他にも福祉施設への寄贈品には無料でアフターケアの保証をしたり、蓮庵(ヨナム)具仁会(ク・インフェ)創業者の独立運動支援などは、すべてネットユーザーが自発的に知らせた内容だ。

ネットユーザーが自発的に特定の会社の広報大使を自任する「自発的ファンダム」現象は、特段、LGにだけ起こるのではない。全世界のプレミアムスマートフォン市場をリードする、iPhoneが毎回しっかりとした販売量を見せることも、いわゆる「アップルマニア」を自任するユーザーがiPhoneを積極的に広報した徳が大きい。

企業は、このようなファンダムをもとに、自分たちの立場を固めている。シャオミは自社のファンクラブである「米粉」(Mi Fen)のおかげで成長したといっても過言ではない。彼らは単純にシャオミを購入する存在から抜け出して、企画、開発などにも参加する。シャオミは自身の技術を顧客に公開して迅速なフィードバックを得る。これにより、顧客が「忠誠心」を持つようになる。実際にシャオミは、ユーザーとのコミュニケーションのために、中国SNSのウェイボーのひとつのチャンネルにのみオペレーター1800人を配置していると知られた。顧客はフィードバックの過程で自然にマーケティング、プロモーションプロセスに関与して、「私が作った製品」という考えを持つようになる。「米粉」の意見はシャオミの役職員と共有されて、スマートフォン、タブレットPC、テレビ、補助バッテリー、空気清浄機などを作り出した。

このような現象が製品販売量に直接影響を与えるというデータはない。しかし、その企業の製品に一度でも多く視線が集まり、ブランドイメージを向上するきっかけはなるだろう。この方法を悪用して、まるでユーザーが「自発的」に広報したがのように、マーケティングを行う企業もあるだろう。おそらく、より大きな災害に不意打ちにあうだろうが。
  • 毎日経済 チョ・ヒヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-02-26 16:08:14




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