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[コラム] 修学能力試験当日の朝のワカメスープ


修学能力試験(修能)を控えている昨今の受験生がいる家庭内では、緊張感が走っているはずですね。試験勉強を邪魔しないように足どりを恐る恐る、夜遅く勉強する子どもが気の毒に思い、夜食を持って行く時にも顔色を伺うほどです。

試験当日には何を言おうかと迷います。
「試験、しっかりと受けておいで」
このような平凡な言葉さえ負担を与えるようで、気軽に口から出てこないでしょう。
子どもの顔色を確かめ、表情が明るければ、ようやく
「しっかりと受けて来い」
と応援の一言を投げます。

薄氷を歩くような修能日の朝、ワカメスープを作った母親の話を聞かせてあげましょう。
煮込んだワカメが滑るため、試験や各種競争プログラムで落ちた時に「ワカメスープを飲んだ」と言います。試験を控えた受験生に出す食べ物は、よく引っ付く飴、餅のような種類で、ワカメやバナナなどは忌避対象でしょう。ところが、修能当日にワカメスープだなんて、言葉さえ口に出してはならないワカメスープを作った母親だなんて、「母さんが狂ったのか」という考えが先行するでしょう。

事情は非常に簡単です。

母親が朝にワカメスープを作ってくれること…。母親に怒ろうとしたのですが母親が言うには
修能が上手くいかなくてもお前ができないのではなく、母親がワカメスープを作ったから失敗したのだと考えろと言い
朝食を食べながら泣きました。修学能力試験場の入口で母親に大きく礼をして試験もしっかりと受けて、希望の大学に受かりました。

ハッピーエンドですね。話のキーワードは、言い訳と責任、犠牲です。

週末になりようやく暇を作ってゴルフを楽しむアマチュアゴルファーが、風邪をひいて咳き込みながらも非常に上手くゴルフをするケースもしばしばあるといいます。一緒にプレイする仲間に、「体調の悪い人にも勝てないのか?」という自壊感さえ感じさせるかっこいいショットも見せるでしょう。秘訣は、言い訳にあるといいます。いくら上手くなくても「私は体調が悪い」という言い訳があるため、安心して技量を誇ることができるのでしょう。できなかった責任は全部風邪に押し付けるということです。

競技場で運動選手が良い試合を繰り広げ、職場で社員たちが良い成果を収め、国民が幸せな人生を過ごすためには、監督、コーチ、政治家らの指導者たちが責任を負わなければなりません。勝ち負け、豊かな生活・貧しい生活は、私の責任だから君たちは安心してしたいように自分の技量だけを発揮すればいい。このような信頼を与えるのです。

指導者の責任は、犠牲から出ます。犠牲のない責任は無限責任ではないでしょう。あれこれ理由をつけて他人に責任を押し付けようと、状況を収拾できなかった末に、仕方なく負う責任ではチームを正常に率いることはできません。

不可抗力的な状況さえも自身に回す指導者でこそ、信じてついて行ける指導者でしょう。その理由に王朝時代の聖君たちは、干ばつになったり洪水になっても「自身の徳が不足しているため」とし、空に頭を下げました。

修能当日の朝、ワカメスープを煮込んだ母親が子どもに言い訳を作ってあげ、自身が抱えようとした犠牲、そんなものが必要な韓国の政界です。
  • O2CNI_Lim, Chu
  • 入力 2016-11-13 08:30:00




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