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[I ♥ 建築] ボイラービッグバン


  • [I ♥ 建築] ボイラービッグバン
世界史は、通常イエスの誕生を起点に紀元前と後に分かれる。ある歴史学者は帆船が導入される前と後で分けたりもする。では、韓国の建築の歴史を決定的に分けた起点は何だろうか? 筆者は「ボイラー」だと思う。

韓国の気候は四季がはっきりしている。建築で、春、夏、秋は大きな問題にならない。問題は冬だ。冬をどのように越すかがその国の建築の特徴を決める。冬の寒さを建築的に解決できなければ生き残ることができないためだ。人類は氷河期には、洞窟の中に隠れて焚き火を焚きながら生き残った。氷河期が終わり、地面に散って住み始めながら、建築は各気候帯に合わせて形成されてきた。韓国人は、寒さをオンドルで解決した。火を焚いて石や泥で作られたオンドルを暖める方式だ。近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトが最高の暖房システムと絶賛した方式だ。しかし、問題はオンドルを使用すると、2階を建てるのが難しいということだ。だから、韓国には2階建ての住宅様式がない。書斎や官公庁のように寝なくてもいい場合には、2階の建築が見えるが、住宅はすべて単層だ。そのように何千年を過ごしてきて、近代にボイラーが導入され、大きな変化を迎える。パイプ管を通ってお湯を2階に上げられるようなり、2階以上の家を建てられるようになったのだ。

ボイラーが普及しながら、2階洋館の家が生まれた。その後、鉄筋コンクリートとボイラーが合わさって作られたアパートが現れた。アパートは12階まで建てられた。高層アパートが不動産のビッグバンを起こしたのだ。韓国全体で見たとき、土地は限られている。土木·建築の工事下で空の下の空いた空間は、誰のものでもなかった。ところが、建築業者が高層の建物を建てながら、空中になかった不動産資産を作ったのだ。朝鮮時代の経済は、ごく少数の地主と大多数の農民で構成されていた。不動産は、一部の富裕層の所有だっただけだった。ところが、アパートによって不動産が増え、職場で働いてアパートを買えば、誰でも不動産を所有した地主になることができる新しい世界になったのだ。経済のパイが大きくなり、中産層という層が生まれ、近代化が始まった。すべてのことはボイラーから始まった。
  • 毎日経済 ユ・ヒョンジュン弘益大学建築学科教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-02-04 10:02:57




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