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[I ♥ 建築] 旅行 vs 漫画


  • [I ♥ 建築] 旅行 vs 漫画
中3の長男とお年玉の使用について話を交わした。筆者は、そのお金を集めて、後に大学に入って、広い世界を見る旅行に使ってほしいと言った。息子は漫画を読んだり、電子ゲームだけでも、十分に幸せなのに、なぜあえて旅行に行くのか分からないと言った。この対話をしながら、韓国にも出世と所有を止揚する日本の「さとり」のような世代が作られている中なのかと考えた。それとともに、この対話の中の二世代間の違いは、「空間とメディアの対決」だという気がした。

現在、40歳が過ぎた既成世代にとって幸福とは家と車を買い、世界旅行に行けるほどの余裕を意味する。家を買うということは、この世界で自分だけの空間を持つことを意味する。自動車の所有は、私が望むところにいつでも行ける空間の拡張を意味する。世界旅行もやはり、個人の空間的拡張を意味する。既成世代の価値観は、すべての空間に関連する価値だ。

一方、若い世代の価値は、スマートフォンで映画を見て、音楽を聴いて、漫画を読んで、電子ゲームをしながら楽しむことにある。彼らに空間を消費することはあまり意味がない。代わりに、メディアを消費することが重要だ。前の世代は、音楽を聴くためには、電蓄と一緒にLPやCDを買わなければならなかった。このような所有物を保管する空間もたくさん必要だった。しかし、今ははるかに少ないお金で、イヤホンですべての音楽をストリーミングして聴ける。所有していないから空間も必要ない。若者の価値観で「空間」は、価値順位で下位圏へと徐々に下がっている最中だ。もちろん、今も旅行に行って美味しいレストランに訪れる人が多い。しかし、彼らの多くは、写真を撮って個人のホームページに上げるために行くようだ。ホームページに必要なメディアコンテンツを作るために旅行に行くのだ。

過去、人類は空間は多いが、人口は少なかった。初期の人類の歴史は、征服を通じて空間を所有しようとする歴史だった。各種帝国と植民地がその結果だ。今は75億人の人口が窮屈な空間で生きなければならない。過度な空間所有は葛藤で、共倒れだ。メディアの中の空間に隠れ入ることが、唯一の解決策なのかもしれない。私たちの子どもたちのやむを得ない選択に申し訳ない気がする。
  • 毎日経済 ユ・ヒョンジュン弘益大学建築学科教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-02-11 06:24:27




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