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[筆洞情談] 光明洞窟の奇跡


  • [筆洞情談] 光明洞窟の奇跡
京畿道光明市には、最近になって世人の口の端に上る名所が一つできた。光明洞窟だ。2016年観光公社選定の韓国代表観光地100選にも選ばれた。

2015年4月の有料開場後に234万人が訪れ、125億ウォンの税外収入を記録した。洞窟運営に関連した630人の雇用が新たに生じた。光明市が経済性分析機関に依頼してみると、30年で6000万人の観光客が訪れて5400億ウォンの収入が生じる可能性があるという計算だ。収入から運営費などの支出を差し引いた収益を見ると、光明洞窟の現在の経済的価値が1530億ウォン程度と算出された。2011年、買い入れにかかった費用の43億ウォンに加え、進入路拡張や駐車場の造成などに国費と道費・市費など6年間で573億ウォンを投入したというので、どの民間投資と比較しても負けないくらいの成功的な投資・開発事業だ。

洞窟内の350の客席がある舞台でオーケストラと国楽公演が繰り広げられ、洞窟の壁に放たれるファンタジー映像や絵は見る人を想像の世界へと導く。洞窟内にワイン倉庫とワインレストランがあり、全国の地元ワインを集めてワイン一滴出ていないところを韓国ワインのメッカに変身させたことは賛辞を送らざるを得ない。

光明洞窟は廃鉱だった。日帝強占期真っ只中のとき、金・銅・亜鉛など様々な鉱物を掘っていた始興の駕鶴鉱山で、1960年末に小学校社会科の地図に載るほど有名だった。しかし所有者が変わった後に40年以上のあいだ事実上放置されて、塩辛の貯蔵庫として貸し出されていた。

2010年から市政を担ったヤン・ギデ光明市長は「廃鉱との運命的な出会い」と述懐する。捨てられたところを思い切って買い入れ、確実ではない未来のために開発コストを注ぎ込んで周りからの懸念と反対に直面したが、乗り越えて実を結ぶことに成功した。それでも、彼は衆心成城のおかげだと昂らない。

みんなの志を合わせればできないことは皆無だということだ。担当公務員たちが献身的に引き受けてくれ、市民たちは声援を送ってくれたためだとヤン・ギデ光明市長は謙譲を忘れない。

最初の検討から現在までの2300日以上に渡った洞窟開発ストーリーを込め、ヤン・ギデ光明市長が先月末に出した『廃鉱で奇跡を掘る』という本を読みながら韓国の地方自治の希望を見た。公共であれ民間であれ、私たちの社会に不可欠な革新的な糸口を見つけることができる。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ 論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-04-19 07:44:40




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