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北が鉄道責任者をよこす...「京義線接続」の下絵出るか


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南北は16日、板門店南側地域の「平和の家」で高位級協議を開催する。

「4・27南北首脳会談」以後、19日ぶりに「韓半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言(以下、板門店宣言)」履行のための公式協議の第一歩を踏み出すわけだ。 15日、統一部は「板門店宣言の履行方案を協議するための南北高位級会談を、16日に板門店平和の家で開催することにした」と明らかにした。

南と北は今回の会談を通じて、板門店宣言に含む南北関係の改善・発展関連の事案を現実化する前に、優先順位と代替的な「タイムライン」作りに注力する見通しだ。

一言で、今回の高位級会談は南北首脳会談を通じて用意された南北関係の改善の巨大な水流を、離散家族問題を扱う赤十字会談や緊張緩和のための軍事当局者会談、その他の社会・文化交流などの「小さな水流」に分割する役割を行うことになると観測される。今回の高位級会談は先月、南北首脳会談以降の韓・米、米・北首脳会談を控えて開催され、南北が出す具体的な合意に関心が集中している。特に来月12日にシンガポールで開かれる米・北間の非核化交渉を控えた時点で、南北当局が出す南北関係の改善と緊張緩和などの措置は示唆するところは大きい。

15日に公開された北韓の高位級会談代表団の面々を見ると、北側が優先的に議論しようとする関心事項の端緒を見いだすことができる。

北側は李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会(以下、祖平統)委員長を団長にして、金潤革(キム・ユニョク)鉄道省副相や元吉宇(ウォン・ギルウ)体育省副相、(パク・ヨンイル)祖平統副委員長と朴明哲(パク・ミョンチョル)民族経済協力委員会(以下、民経協)副委員長が会談に参加する。このうちキム・ユニョク副相とパク・ミョンチョル副委員長は、それぞれ南北首脳会談の合意事項である京義線・東海線の鉄道連結と、開城南北共同連絡事務所の設置、交流協力拡大と関連した重要な実務として評価される。

まず北側が先制的に「鉄道」関連の人士を代表に含めたのは、南北首脳会談以後に北側で南北間の鉄道接続を通じて、大陸鉄道構想が大きく注目されていることと無関係ではないように解釈される。よく「主鉄従道」と呼ばれるほど鉄道が中核をなし、道路が補助的な役割を担当する北韓の交通・物流の特性上、韓国との協力を通じた鉄道近代化の作業は北韓にとっても非常に重要だ。また、南北間の鉄道連結は中国横断鉄道(TCR)・シベリア横断鉄道(TSR)と連携しており、はるかに大きな利益を期待することができることから、双方ともに積極的な状況だ。鉄道問題は南北首脳会談でもなんどか言及された問題であるだけに、今回の会談で双方が共同実態調査などに合意する可能性もある。

南北間の経済協力問題を総括するために、北側が2005年に公式に発足した民経協の高位級人士が今回の会談に出席することは、今後の南北間の経済協力などの交流協力の再開を念頭に置いた布石だという評価も出ている。民経協は北側が開城工業団地の稼働直後の南北経済協力事業が巡航していた盧武鉉政府当時に、北韓側が経済協力活性化のために設置した「特化」機構だ。北側は李明博・朴槿恵政府で存在感を失った民経協を、10年ぶりに南北対話の前面に打ち出した。

これと関連し、政府の高位級当局者は「一部では、北韓が軍事施設の移転などを理由に、鉄道問題に消極的に乗り出すだろうとの見方もある」とし、「これは鉄道の北側の関心と金正恩(キム・ジョンウン)北韓国務委員長の意志を過小評価したものだろう」と説明した。しかしこの当局者は「今回の高位級会談や今後の米・北首脳会談後もしばらくのあいだ、南北経済協力については意味のある議論や合意がなされないようだ」と、政府も対北制裁の下で南北経済協力そのものの速度を高めないという意味を明らかにした。

南北首脳会談で合意された光復節を契機にした離散家族再会のほか、2000年の「6・15南北共同宣言」記念行事をソウルと平壌で共同開催する問題が重要に議論される可能性も十分だ。北側の会談代表団の中で、人道的問題と社会・文化交流の経験が多くパク・ヨンイル副委員長が含まれていることもこのような観測に重みを加える。この日、統一部の当局者も記者らと会って、6・15記念共同行事の開催可能性に対する質問に、「おおきく違ってはいないようだ」と肯定的な立場を取った。

今回の会談代表団には、双方の軍当局の人士は含まれていなかった。これは南北両側が敏感な軍事関連の事案については、米・北首脳会談の推移など情勢を見ながら、慎重に協議を進めるという意図を持ったものとも解釈される。ただし今回の会談で南北が軍事当局者会談の開催日時・場所を合意する可能性はある。

今回の高位級会談で北側代表団の名簿に名前をあげたウォン・ギルウ副相は、先だって平昌冬季オリンピックの北側選手団長として韓国に来た、代表的な体育分野の南北協力の核心人物だ。ウォン副相は今回の高位級会談で、8~9月にインドネシアのジャカルタで開かれるアジア大会で、共同入場・単一チームの構成などについて議論を行う公算が大きい。
  • 毎日経済_キム・ソンフン記者/カン・ボンヂン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-05-15 18:13:02




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