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離散家族再会…「70年ぶりに妹に会う...若い姿を見せなくちゃ」
■ 離散再会を控えた92歳のユン・フンギュさん
「よりによって暑いときに、たいへんだ。歳をとったから」。
離散家族再会対象者に選定されたユン・フンギュさん（92）は、猛暑で疲れた表情を隠せずにいた。行事はすぐの3日後にせまったが、離れてきた家族に会う喜びよりも現実の苦痛に対する苦しみを訴える姿に、むしろ離散家族も普通の人と同じだという事実に改めて気づいた。 17日午後、インタビュー開始後10分ほど扇風機の風で汗を冷やし、ユンさんはようやく話を始めた。ユンさんは妹のユンギョンさん（77）と甥のユン・チュンヂャ氏（77）に会う期待感を吐き出した。
1927年8月13日、平安北道の定州郡（チョンヂュぐん）德彦面（トゴンめん）德星（トクソン）726に生まれたユンさんは、当時は地域でも有名な金持ちの息子だったと回顧した。塀が昌慶宮ほど高くて、大きな瓦の家が前と後に広がる宮殿のような家に住んでいた。家の裏には山が屏風のように広がって、家の中には大きな池があった。しかし社会主義が広まって財産は差し押さえられたし、家族はすべて小さな家に追い出された。人民軍の圧迫を避けてウォルナムヘン（越南行き）を決めた後、再び家族に会えないだろうとは思ってもいなかった。その時、ユンさんはわずか22歳の青年だった。越南直後、ユンさんは「大韓独立青年団」に加入して活動しており、6・25戦争時は国軍で参戦した。ユンさんはのちに南に越えてきた人々から「共産党が家族を黄海道に追い出した」という知らせを伝え聞き、心が引き裂かれても足りないと鬱憤を吐露した。
ユンさんは2000年、最初の離散家族再会行事の時に申請した後、18年のあいだ再会申請を行った事実さえ忘れて生きてきたと言う。申請した当初は期待感も大きかったが、毎回落ちるたびに忘れて生きてきたと。離散家族が5万人に達する状況で、自分は幸運の主人公になることはできないと考えてきた。 1ヶ月前に再会対象者に選定されたという電話が来た時も、いたずら電話だと思った。 70年という歳月の中で、ユンさんの心は乾いて鈍くなって行った。
ユンさんは55年前、妻が胃癌で亡くなった後は独身として生きてきた。膝下に子供も置かなかった。周辺で再婚をすすめてみても、好みの人がないと断った。妻がこの世を去った後に自殺を決意したこともあるが、徐々に「生きなければ」という気持ちで我に返ったというのがユンさんの話だ。
そんな気持ちから、27年前に始めた書道はいまユンさんの本業になった。ユンさんはソウル市冠岳区の文化院で受講生を教え、まわりに人々を呼び集めた。そのおかげで住民が喜寿や傘寿の宴を開いてくれて、ユンさんの自叙伝も作ってくれた。
ユンさんは「いまや冠岳区で私を知らない人はいないほど」だと自慢した。いま冠岳文化院で週2回、受講生を教えている。ユンさんの書室には彼の作品と一緒に、今までユンさんに教えを受けた弟子たちの写真もぎっしりと飾られていた。 1時間ほど行われたインタビューで、ユンさんは10回も自分を「オタク」と称して力強く笑った。
90歳を超えた高齢者とは思えないほど健康なユンさんは、身を動かすことが難しい妹と甥に会うことに心配が先に立ったと言う。ユンさんは「同行者を連れて行ってはどうかと言うが、私は健康だから一人で行くと言った」とし、「70年ぶりに会う家族に、より若くて元気な姿を見せてあげたい」と話した。今回の再会で弟のユン・ウォンギュさん（89）は会えなくなった。身元確認ができなかったからだ。ユンさんは「今回行けば弟に会えるかもしれない」と、かぼそい希望を持っていた。
2015年10月以降、3年ぶりに開かれる今回の南北離散家族再会行事は21回めだ。来る20日から26日まで2度にわたり、金剛山で行われる。 89人の韓国側訪問団が20日から2泊3日（1回め）のあいだ北側の家族を、83人の北側の訪問団が24日から2泊3日（2回め）のあいだ私たちの側の家族に会う。
再会依頼者は2人から最大5人までの家族同行が可能で、北を訪問する私たちの側の離散家族は、1回めの197人と2回めの337人で総534人にのぼる。 1・2回の再会日（20日・24日）に先立ち、離散家族は前日（19日・23日）に束草（ソクチョ）の宿泊施設で一日泊まる。翌日の午前、東海線陸路を通じて高城南北出入事務所（CIQ）を経て金剛山へ向かう。 1日めは団体再会と歓迎の晩餐、2日めは個々再会と団体再会、3日めは作別再会など全6回にわたり南北の離散家族が会う予定だ。
「よりによって暑いときに、たいへんだ。歳をとったから」。
離散家族再会対象者に選定されたユン・フンギュさん（92）は、猛暑で疲れた表情を隠せずにいた。行事はすぐの3日後にせまったが、離れてきた家族に会う喜びよりも現実の苦痛に対する苦しみを訴える姿に、むしろ離散家族も普通の人と同じだという事実に改めて気づいた。 17日午後、インタビュー開始後10分ほど扇風機の風で汗を冷やし、ユンさんはようやく話を始めた。ユンさんは妹のユンギョンさん（77）と甥のユン・チュンヂャ氏（77）に会う期待感を吐き出した。
1927年8月13日、平安北道の定州郡（チョンヂュぐん）德彦面（トゴンめん）德星（トクソン）726に生まれたユンさんは、当時は地域でも有名な金持ちの息子だったと回顧した。塀が昌慶宮ほど高くて、大きな瓦の家が前と後に広がる宮殿のような家に住んでいた。家の裏には山が屏風のように広がって、家の中には大きな池があった。しかし社会主義が広まって財産は差し押さえられたし、家族はすべて小さな家に追い出された。人民軍の圧迫を避けてウォルナムヘン（越南行き）を決めた後、再び家族に会えないだろうとは思ってもいなかった。その時、ユンさんはわずか22歳の青年だった。越南直後、ユンさんは「大韓独立青年団」に加入して活動しており、6・25戦争時は国軍で参戦した。ユンさんはのちに南に越えてきた人々から「共産党が家族を黄海道に追い出した」という知らせを伝え聞き、心が引き裂かれても足りないと鬱憤を吐露した。
ユンさんは2000年、最初の離散家族再会行事の時に申請した後、18年のあいだ再会申請を行った事実さえ忘れて生きてきたと言う。申請した当初は期待感も大きかったが、毎回落ちるたびに忘れて生きてきたと。離散家族が5万人に達する状況で、自分は幸運の主人公になることはできないと考えてきた。 1ヶ月前に再会対象者に選定されたという電話が来た時も、いたずら電話だと思った。 70年という歳月の中で、ユンさんの心は乾いて鈍くなって行った。
ユンさんは55年前、妻が胃癌で亡くなった後は独身として生きてきた。膝下に子供も置かなかった。周辺で再婚をすすめてみても、好みの人がないと断った。妻がこの世を去った後に自殺を決意したこともあるが、徐々に「生きなければ」という気持ちで我に返ったというのがユンさんの話だ。
そんな気持ちから、27年前に始めた書道はいまユンさんの本業になった。ユンさんはソウル市冠岳区の文化院で受講生を教え、まわりに人々を呼び集めた。そのおかげで住民が喜寿や傘寿の宴を開いてくれて、ユンさんの自叙伝も作ってくれた。
ユンさんは「いまや冠岳区で私を知らない人はいないほど」だと自慢した。いま冠岳文化院で週2回、受講生を教えている。ユンさんの書室には彼の作品と一緒に、今までユンさんに教えを受けた弟子たちの写真もぎっしりと飾られていた。 1時間ほど行われたインタビューで、ユンさんは10回も自分を「オタク」と称して力強く笑った。
90歳を超えた高齢者とは思えないほど健康なユンさんは、身を動かすことが難しい妹と甥に会うことに心配が先に立ったと言う。ユンさんは「同行者を連れて行ってはどうかと言うが、私は健康だから一人で行くと言った」とし、「70年ぶりに会う家族に、より若くて元気な姿を見せてあげたい」と話した。今回の再会で弟のユン・ウォンギュさん（89）は会えなくなった。身元確認ができなかったからだ。ユンさんは「今回行けば弟に会えるかもしれない」と、かぼそい希望を持っていた。
2015年10月以降、3年ぶりに開かれる今回の南北離散家族再会行事は21回めだ。来る20日から26日まで2度にわたり、金剛山で行われる。 89人の韓国側訪問団が20日から2泊3日（1回め）のあいだ北側の家族を、83人の北側の訪問団が24日から2泊3日（2回め）のあいだ私たちの側の家族に会う。
再会依頼者は2人から最大5人までの家族同行が可能で、北を訪問する私たちの側の離散家族は、1回めの197人と2回めの337人で総534人にのぼる。 1・2回の再会日（20日・24日）に先立ち、離散家族は前日（19日・23日）に束草（ソクチョ）の宿泊施設で一日泊まる。翌日の午前、東海線陸路を通じて高城南北出入事務所（CIQ）を経て金剛山へ向かう。 1日めは団体再会と歓迎の晩餐、2日めは個々再会と団体再会、3日めは作別再会など全6回にわたり南北の離散家族が会う予定だ。
- 毎日経済＿（共同取材団）パク・テウィ記者 | (C) mk.co.kr
- 入力 2018-08-17 17:41:34
