韓国ベンチャー、創立3年で世界的企業に

べスピングローバル社のイ・ハンジュ共同創業者 

売上げ350兆ウォンに達する中国最大の国営企業ペトロチャイナの情報技術(IT)システムをクラウドに移行する事業を韓国のスタートアップが獲得した。

国内スタートアップであるべスピングローバル(BESPIN GLOBAL)社はペトロチャイナだけでなく、エアチャイナや人民日報などの中国の大規模国有企業のクラウド事業と、サウジアラビアの電子政府システムをクラウドに移し変える事業を相次いで受注して注目される。このような海外の大型事業の受注は、サムスン電子や韓国電子政府などのITシステムをクラウドに移行させた実績が土台になったことが明らかになり注目を集めている。

去る12日、べスピングローバルのイ・ハンジュ共同創業者は、毎日経済新聞とのインタビューで「ペトロチャイナなど、中国国営企業のITシステムをクラウドに移行する事業を獲得した」とし、「これは韓国でサムスン電子やアモーレパシフィックなどの事業を受注したリファレンス(Reference)が大きかったからだ」と語った。

イ・ハンジュ創業者は「政府と大企業が投資をするのもいいが、スタートアップの製品の購入実績を作ってくれるのがもっと重要だと思う」とし、「このようなリファレンスビルディングが行われたなら、韓国に世界最高レベルの企業間取引(B2B)IT企業が誕生することも不可能ではない」と語った。政府は第2のベンチャーブームを造成するという意志を明らかにしているが、無分別な予算投入よりも政府と大企業でスタートアップの製品を活用し、実績を作ることがより重要だというわけだ。

ベスピングローバルはペトロチャイナのほか、エアチャイナや人民日報などのITシステムのクラウド化プロジェクトを獲得し、現在は他の中国の大型国有企業のプロジェクトも受注を推進していることが伝えられた。

2015年に設立された同社は、企業が既存の電算システムをクラウドベースに移し変える作業を支援するサービスプロバイダだ。現在の売上げは1000億ウォンを超えると推定されており、企業価値は5000億ウォンを超えた。売上げの成長が非常に早いので、近いうちにユニコーン(企業価値1兆ウォン以上のスタートアップ)登板が有力なところだ。現在は850人が働いているが、その中の半分以上の450人は昨年採用された。このように急激に成長している理由は、この会社の顧客である大企業がクラウド移行を急速に進めているからだ。

大企業はいまやクラウドを使わざるを得ない環境になった。例えばアップルやファーウェイはクラウドにある世界最高の人工知能SWを使って顧客を分析し、リアルタイムで営業戦略を変えているのに、サムスン電子だけが自社の電算システムに固執することはできないからだ。イ代表は「クーパンは一日に200回も内部プログラムを修理し、アマゾンは1秒ごとにシステムを変える」とし、「韓国銀行は5年に1回次世代電算システムを導入するので、このままでは競争になるはずがない」とした。

大企業が競争で生き残るためにはクラウドを通じてソフトウェアをその都度適切に購入し、状況に合わせて対応することが最低限の条件だ。

ところが、大企業の電算システムをクラウドベースに置き変える作業はなみたいていのことではない。 1990年代の後半、Y2K事態の時に企業が持っていた年度システムを2桁から4桁に変えるためにものすごい資源が投入され、その結果インドで現在は時価総額45兆ウォンの「インフォシス」という企業が誕生した。イ代表は「今はY2Kに比べてはるかに多くのリソースが投入されなければならない」とし、「インフォシスのような会社が数千社できても足りない」と言う。彼は「現在世界のどの産業を見ても、需要が供給をそう圧倒する分野はない」とし、「昨年は30兆ウォンの売上げを上げたと推定されているアマゾンAWSが、毎年30~40%ずつ成長しているということは信じがたい水準」と語る。イ代表は今後、企業向けIT市場は4000兆ウォンに成長すると予想したが、その中で2000兆ウォンはベスピングローバルのようなITシステムのサービス会社が持っていくとにらんだ。

イ代表はこのように成長が速い世界のB2B IT市場では、韓国のスタートアップが強みを持つ要素が多いと主張した。ベスピングローバルがペトロチャイナのクラウド事業を受注したのがその証拠だ。彼は「ペトロチャイナの立場からは、べスピングローバルは非常に小さな会社でしかない」とし、「しかしペトロチャイナの選択肢がベスピングローバル以外には多くなかった」と言う。

中東の掘削作業にともなう各種リスクをシミュレートするには、ドバイや中国のすべての既存のITシステムをクラウドに移す作業を必要があり、これを行うことができる実績を持つ企業はべスピングローバルほかには多くなかった。同じストーリーがサウジの電子政府事業でも展開した。ベスピングローバルは韓国行政安全部が行った電子政府プロジェクトをクラウドに移行するサービスを提供したが、この実績を見たサウジ電子政府側がべスピングローバルを招請した。

イ代表は「韓国で政府と企業が業績を作ってくれれば、十分にグローバル市場で食べていける」とし、「多くの人が海外市場をどのように開拓したのかと言うが、このようにすれば突き抜ける」とした。ベスピングローバルはガートナーが毎年選定するマジック・クアドラント(技術優秀企業20位)で、クラウドサービス分野で2017年から今年まで3年連続で登載された。イ代表は「1000社以上の企業が応募したと聞いており、約6ヶ月の間に私たちのサービスについて厳正な定量的・定性的審査が行われた」と述べた。
  • 毎日経済_シン・ヒョンギュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-03-13 18:17:08.0