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高齢化する韓国の地方都市

尚州市・金堤市の平均年齢50歳超える 

人口10万人の慶北尚州市(サンヂュし)では昨年、産婦人科病院がひとつ廃業した。この病院は少子化のせいで経営難に勝てず、1993年に開業して以来の25年ぶりにドアを閉じた。産婦人科がひとつ廃業し、現在は尚州に残っている産婦人科病院は4ヶ所だけだ。これすらも分娩室があるところは尚州赤十字病院ひとつだけが全てだ。

この病院は産後調理員がいないために、ほとんどの妊婦は52キロメートルほど離れている亀尾市(クミし)の産婦人科を利用している。尚州の昨年の出生児数は470人だ。一日出生児数は1.2人に過ぎない。このために他の産婦人科も廃業を悩んでいる。尚州産婦人科の病院長は、「都市に産婦がほとんどいないので、妊婦の診療はほとんどなく、大部分は婦人科の診療だけを見ている」とし、「赤字を出し続けているので、このまま行けば廃業するしかない状況だ」と打ち明けた。

子供の泣き声が消えて、尚州は急激に老衰している。尚州の今年(3月時点)の住民の平均年齢は50.4歳だ。 1949年の地方自治法改正で都市部の名称が「市」と改称された後、70年ぶりに平均年齢が50歳をこえたわけだ。

行政区域上は「郡」単位ではなく都市で、住民の平均年齢が50歳を超えたのは、高齢化現象が農漁村だけでなく、地方都市でも深刻だという警告だ。地方の高齢化は、農漁村地域から都市に急速に広がっているのだ。

人口8万4000人の全北・金堤市(キムヂェし)も平均年齢が50.4歳で、今年初めて平均年齢が50歳を超えた。昨年の金堤市の出生児数は368人。出生児は一日一人のレベルに過ぎないほどだ。都市が老いて行きつつ、常州の全人口のうち65歳以上が29%に達するほど「超高齢化(65歳以上の人口の20%以上)都市」になったが、金堤市も65歳以上の高齢者人口が30%を超えた。

すでに地方には平均年齢50歳があごに届くほど年老いた都市がたくさんある。統計庁によると、慶尚北道の聞慶市(ムンギョンし、49.8歳)と永川市(ヨンチョンし、49.3歳)、慶尚南道の密陽市(ミリャンし、49.3歳)、全羅北道の南原市(ナムウォンし、48.1歳)、忠南の公州市(コンヂュし、47.9歳)と保寧市(ポニョンし、47.7歳)などはすでに平均年齢が50歳に迫った。全国の都市(特別市と広域市、世宗市を除く)77市のうちで今年、平均年齢が45歳を超えるところが全体の30%に近い23市になった。

このうち京畿道(抱川市・驪州市)は2ヶ所に過ぎず、残りの21ヶ所はすべて地方都市だ。地方都市の高齢化が深刻化して都市が活力を失って、生産性が落ちている。伝統的な都市製造業と経済基盤が崩れる原因として作用しており、雇用条件にも否定的な影響を与えている。
  • 毎日経済_チェ・スンギュン記者/オ・ソンドク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-05-20 18:13:32




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