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韓・輸出不振...経常の黒字幅、7年ぶりに最低

韓国銀行「6月国際収支」発表 

  • 韓・輸出不振...経常の黒字幅、7年ぶりに最低
  • 経常収支の四半期別推移


今年の上半期、韓国の経常収支の黒字幅が7年ぶりに最低を記録した。米・中貿易紛争などで世界の貿易量が萎縮したうえに、半導体の単価が下落し、わが国の輸出が直撃弾を受けた結果だ。

韓国銀行が6日に発表した「2019年6月国際収支(暫定)」によると、今年上半期の経常収支の黒字規模は217億7000万ドルで、前年同期比で71億3000万ドル(24.7%)減少した。半期ベースでは欧州での財政危機があった2012年上半期以来で最低だ。

経常収支の黒字幅が減ったのには、輸出不振によって縮小し続けている商品収支の影響が大きかった。輸出が輸入よりも大幅に減少し、商品収支の黒字規模は370億6000万ドルにとどまった。 2013年上半期以来の6年ぶりに最低だ。上半期の輸出は2777億2000万ドルで、2016年下半期以降で最小を記録した。前年比では9.8%減少した。パク・ヤンス韓銀統計局長は、「世界の貿易量が萎縮しており、主要輸出国である中国の景気が低迷したうえに、主力産業である半導体の単価が引き続き下落し、商品収支が縮小した」と説明した。

商品収支は下半期にも改善しにくいという見通しが出ている。ソウル大経済学科のイ・イノ教授は、「上半期の経常収支の不振は半導体の影響が最も大きかったならば、下半期はこれに加えて米・中貿易紛争に日本の輸出規制など、わが国の輸出の下方リスクが加わるだろう」とし、「輸出と輸入などの貿易収支のほか、投資などに左右される貿易外収支も改善する可能性は大きくない」と憂慮した。

韓銀が7月の経済見通しで出した上半期の経常収支の目標値(215億ドル)は達成したが、年間目標である590億ドルが可能か不透明だというわけだ。輸出景気の鈍化という構造的な危機が続いているからだ。月別にみると、6月の経常収支は63億8000万ドルの黒字だった。 2018年10月以降の8カ月ぶりに最大の黒字を記録し、多少回復する様子を見せた。

しかし商品収支の不振は相変わらずだった。 6月の商品収支は62億7000万ドルの黒字を記録した。前月(55億1000万ドル)に比べて小幅で増加したが、前年同月(95億4000万ドル)に比べると、30%ほど減少した。 6月に商品収支黒字幅が一定のレベルを維持したのは、輸出とともに輸入が与えた影響も大きかった。輸出が前年比で15.9%減少したとき、輸入も11.8%減少した。稼いだ金(輸出)が大きく減ったにもかかわらず、使った金(収入)もともに減り、黒字が一定部分を維持したわけだ。

パク局長は「最近は対外環境が悪化し、輸出不振で商品収支の縮小が続いている」と言いながらも「旅行収支をはじめとするサービス収支の改善傾向は肯定的な部分」だと評した。

サービス収支の赤字は20億9000万ドルを記録した。前年同月(24億2000万ドルの赤字)に比べてマイナス幅が減少した。旅行収支の改善のおかげだ。 6月の旅行収支は10億ドルの赤字で、前年同期の12億2000万ドルの赤字から規模が縮小した。外国人観光客が増え、6月全体の入国者は15.1%増加した。このうち中国人入国者が25.0%で日本人入国者が20.1%と大幅に増えた。

一方、最近のウォン安現象が一定の部分、経常収支の改善に貢献したという分析も出ている。パク局長は「他の要因を排除してみると、ウォン安は輸出に役立つ。また旅費が高くなるため、海外旅行が減ればサービス収支の改善傾向が拡大することがありうる」と説明した。
  • 毎日経済_キム・ヨンジュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-08-06 18:03:47




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