トップ > 数字経済 > 企業 > 仁川空港 手荷物の扱いミス、ヨーロッパの20分の1 ポスコICTの隠れた技術力

仁川空港 手荷物の扱いミス、ヨーロッパの20分の1 ポスコICTの隠れた技術力

旅行バッグが速い道探してスイスイ「IoT競演」/88キロメートルのレールにセンサー3万5千...手荷物同士がデータ通信 

  • 仁川空港 手荷物の扱いミス、ヨーロッパの20分の1 ポスコICTの隠れた技術力
  • 仁川空港の手荷物処理システムで、乗客の手荷物が100メートルを14秒で走破するスピードで動いている。 [写真提供=仁川国際空港公社]

「仁川空港が9年連続で世界一等空港に選ばれたのは、韓国の最尖端情報技術(IT)のおかげです。サッカー場20個の広さのスペースに付けられた3万5700個のセンサーが水も漏らさない、目の細かい‘モノのインターネット(IoT)’のネットワークを作っています」(キム・ドヒョン仁川国際空港公社次長)。

1日に訪れた仁川空港は本格的な夏休みシーズンを迎え、海外旅行の途に就く観光客の人波で込み合った。二人の娘を横に連れた30代半ばの男性がにこにことした表情で、ある航空会社のカウンターで荷物を預ける。目的地が表示された長いタグをつけたキャリアが、電動ベルトの動きにしたがってX線検査台を通過して視線の向こうに消える。

このように、仁川空港から航空機に積まれる手荷物の量だけでも、一日平均11万個に達している。システムエラーで積まれなかったか、別の航空機に向かった荷物を専門用語で「遅刻手荷物」と呼ぶ。空港サービスを評価する重要項目のうちの一つだ。ところがこの部門で、仁川空港の成果は驚くべきレベルだ。仁川空港の遅刻手荷物は10万個当たり1個の割合であるのに対し、シャルルドゴールやロンドン・ヒースローなど、有名なヨーロッパの空港は10万個当たり20個を上下する。仁川空港の遅刻手荷物の割合は、欧州に比べて20分の1に過ぎないほど、圧倒的な技量値を見せている。秘訣を知るために、乗客を離れた手荷物が航空機に積まれるまでの全過程を密着し覗き見た。

手荷物処理施設を見るために空港の地下へ向かうやいなや、サッカー場20個の広さに達する広大なベルトコンベアが壮観を成す。荷物を預ける旅客ターミナル3階から地下1階まで、総3つのラインで構成された手荷物通路の長さだけでも総延長88キロメートルに達する。88キロメートルの「手荷物高速道路」は3万5700個のセンサー、1万4500台のモーター、4700個の荷物トレイが休む暇もなく動いてデータをやりとりする。サッカー場20個の広さの、韓国最大の「モノのインターネット(IoT)」競演場が空港内に広がっているのだ。

仁川空港のハン・ホンヂェ課長は、「手荷物の運送中にラインが停滞したり故障しても、IoTに基づいてすぐにう回路を見つけて航空機に荷物が配達される」とし、「歯車のように精巧に組み合わされたITシステムが‘無秩序の中の秩序’を作っている」と語った。

実際に、カウンターで預けた手荷物が航空機に到着するまでの距離は、韓国国籍機は約500メートルで、外国籍の航空機は1200メートルほどだ。88キロメートルの距離の高速道路で、インテリジェントセンサーとネットワークの力だけで、中央サーバー・ナビゲーションが理論上の最短距離に近い最適の道を案内するわけだ。かかる時間も平均26分ほどに過ぎない。

ここでは空港IT部門のスキルを磨いてきた、ポスコICTの技術力が大きな役割を果たしている。同社は1996年から仁川空港の手荷物処理システムのプロジェクトに参加して、長い期間に関連ノウハウを積み重ねてきている。ポスコICTの関係者は、「改修計画中の世界有数の空港は、仁川空港のノウハウに大きな関心を見せている」と語った。
  • 毎日経済_ホン・ヂャンウォン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-07-01 17:08:00




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア