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数字経済 > 企業 > サムスン電子、半導体の危機に正面突破「減産の計画なし」
半導体の需要減少と供給過剰が同時に発生し価格下落傾向が続く中でサムスン電子が「正面突破」を宣言した。減産計画を明らかにした米マイクロンとは違って景気下落期にも減産する計画がないことを公式化したのだ。代わりにライバル会社を圧倒する差別化された技術力で「超格差」を維持するという覚悟だ。
サムスン電子は5日(現地時間)、米カリフォルニア州サンノゼで「サムスンテックデー2022」を開き次世代半導体製品と新技術を大挙公開した。このイベントは2017年から毎年開催されていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で今年3年ぶりにオフラインで行われた。
同日、サムスンはメモリー半導体と関連し具体的なロードマップを提示した。まず、NANDフラッシュと関連して200段以上に積み上げた第8世代V-NAND512ギガビット(Gb)TLC製品を公開した。これは従来の176段の第7世代製品に比べて面積当たり保存されるビット(Bit)数を42%向上させた製品だ。
DRAMと関連してサムスン電子は、第5世代10ナノ級DRAMの来年の量産計画を明らかにした。新しい工程技術の適用と次世代製品構造を通じて工程微細化の限界を克服するという覚悟だ。現在、サムスン電子のDRAM技術は14ナノで具現されており5世代10ナノ級はこれより線幅が2~3ナノ程度減るものと予想される。
現在、市場では半導体供給過剰の懸念が大きい。ICインサイツ(IC Insights)によると、今年、ウェハー(半導体基板)基準でグローバルメモリー半導体の生産能力が年平均321万枚増えたことが分かった。
今年のDRAM生産能力は1988万枚に達する。昨年の1781万枚より11.6%増えた。同期間、NANDフラッシュの生産能力は2057万枚から2171万枚へと5.5%増加した。DRAM・NANDフラッシュ生産能力の合計が4000万枚を突破したのは今回が初めてだ。
しかし、サムスン電子は正面突破を選んだ。ハン・ジンマン副社長は「減産する計画があるか」という質問に「私たちは目の前の状況が良くないとしても予定された経路を簡単に変えることはない」と強調した。サムスン電子はこれまで「人為的減産」をしたことがない。ただしウェハー投入を減らして生産量を調節したり、または生産ライン調節を通じて「自然減産」を誘導したことはある。