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数字経済 > 企業 > 韓国バイオ、「直販」でグローバル市場突破へ
LG化学は最近、米国食品医薬品局(FDA)から承認を受けた腎臓がん治療薬を保有するバイオ企業「AVEO Pharmaceuticals」(以下AVEO)を8000億ウォンで買収することを決め医薬品海外直接販売(直販)体制構築を公式化した。AVEOは米国マサチューセッツ州ボストンに設立された、臨床開発・許可・営業・マーケティングなど抗がん市場に特化された企業だ。2021年下半期、FDAから腎臓がん標的治療薬「Fotivda」の市販を許可された。25日、LG化学の関係者は「3~6か月かかる買収・合併が最終的に完了すれば、AVEOはLG化学の孫会社になる」として「AVEOが保有しているFotivdaなどを継続直販することになるだけでなく、今後LG化学の抗がん剤パイプラインが臨床成功後に市販されれば米国を含むグローバル市場への直販が可能になる」と伝えた。
韓国の製薬・バイオ企業などが医薬品の直販を通じて海外市場を攻略する姿が目立っている。韓国のブランドでは先進国市場に突入するのが難しく現地パートナーの力を借りなければならなかった限界はすでに過去の話だ。過去、グローバル市場で存在感が微々たるものだった韓国企業が、1つ2つ米国、欧州をはじめとする海外市場で地位を高めてきた結果でもある。それだけ韓国の製薬・バイオブランドの認知度が高まり、新薬開発の成果が認められ始めたという意味だ。海外業者の買収などを通じてオーダーメード型専門人材とノウハウを吸収したのも主な要因と評価される。
このような流れの始まりは、バイオシミラー(バイオ医薬品複製薬)企業のセルトリオン(Celltrion)だ。セルトリオンは韓国で一番先に直販に参入し、現在欧州、米国、日本、中南米などへと直販領域を広げている。
2020年にドイツと英国、オランダなどで自己免疫疾患治療薬「レムシマSC」の直販を開始し、今年8月にはバイオシミラーの流通・マーケティングを担当するセルトリオンヘルスケアがセルトリオンの米国法人であるセルトリオンUSAを買収した。
ジェネリック医薬品を中心に米国で独自の供給網を確保したのに続き、セルトリオンUSAを足掛かりに米国直販体制を強化したのだ。この他にもブラジルで血液がん治療薬のトルキシマ(Truxima)、乳がん治療薬のホジュマ(Herzuma)などを直販するなどグローバル全域に直販の範囲を広げている。
このようにセルトリオンがジェネリック医薬品で直販網を広げたとすれば、今やジェネリック医薬品だけでなく独自開発した薬でも直販体制を構築するのが主流になっている。SKバイオファームの歩みが代表的だ。同社の主力製品は2019年と2021年にそれぞれ米国と欧州で品目許可を獲得した、てんかん治療薬「セノバメイト(Cenobamate)」だ。現在、米国現地の子会社であるSKライフサイエンスを通じて直販している。
韓国ボトックス1位企業のヒューゲル(HUGEL)も自社の主力製品である「ボツレックス(Botulax)」を米国で直販しようと現地法人ヒューゲルアメリカを2018年に設立した。ヒューゲルの関係者は「北米地域直販のためにヒューゲルアメリカを設立し、医学・営業マーケティングの首長など主要人物を任命した状態」と明らかにした。この他、フランス・パリで開かれた欧州腫瘍学会で抗がん剤リボセラニブ(Rivoceranib)に対する成功的な第3相臨床試験の結果を発表したHLBも最近、リボセラニブがFDAの品目許可を受ける場合、米国子会社エレバを通じて直販に入る予定だ。